先日の日曜日(7月3日)は昼すぎからジョージ・クルーニー主演のこの映画を観てきました。原題はシンプルに『The American』。
「角川シネマ有楽町」は初めて行く映画館です。有楽町駅前にあるビッグ・カメラの8階。狭からず広からずで、手ごろなスペースでした。
クルーニーの役どころは暗殺者。舞台はイタリアで、異国にいる孤独な暗殺者の心情がラヴ・ストーリーを絡めて描かれていきます。刹那的といってしまえばそれまでですが、クルーニーの物悲しい表情に哀愁を感じました。
主人公はこういう仕事をしているから普通のひと以上に平凡な幸せを願うんでしょうね。遅まきながら、ぼくはこの歳になってようやく平凡なことがどれほど大きな幸福感を与えてくれるかわかりました。永遠のお子ちゃまですから、いろいろなことを体験しないと気がつかないんです。
でも、気がついてよかった。そんなことを思いながらこの映画を観ていたら、主人公の心情に思わず涙してしまいました。取り返しのつかないことも世の中にはたくさんあります。でもぼくは幸運なことに、これまでの人生に満足しています。生まれ変わっても同じ人生でいいかな、なんてね。
取り返しのつかないこともいろいろやってはきたんでしょうけれど(自分で気がついていないことも多々あるんだろうなぁ)、それでも楽しい人生が過ごせているのは、周囲のひとの温かい目があってこそのもの。映画のストーリーとはまったく関係ないですが、そんなことを思いました。
「自分はどうあるべき」なんてことは一度も考えたことがありません。そのときどきで楽しいことを優先してやってきただけ。それが結果として、これまでのところはよかったみたい。今後もこの姿勢は変わりませんし、いまさら変えようもありません。変える気もさらさらないですけど。
このままどこまで行けるか。そんなことを考えるのも楽しいじゃありませんか。暗殺者にならなくてよかった。当たり前か。
それで映画ですが、ストーリーはいまいち。でも、そういうのもそこそこ楽しめちゃうのがぼくなんで、不満はまったくありません。楽しいことはいいことだ、です。