先週の金曜日(6月17日)に、ロン・カーター率いるゴールデン・ストライカー・トリオを聴いてきました。メンバーはお馴染みのマルグリュー・ミラー(ピアノ)とラッセル・マローン(ギター)。
ステージが始まる前にラジオ用のインタヴューを。電話インタヴューを別にすれば、直接顔を合わせてのインタヴューは10年以上やっていなかったかもしれません。当時のぼくはいまよりかなり体重があったから(つまりデブだったということですが)、わからないかもなぁ、なんて思いながら楽屋で待っていました。
というか楽屋に入った途端にロンさんも到着。ぼくを見るなり「long time no see」といってくれたので、嬉しかったですね。社交辞令かもしれませんが。
穏やかなひとがらもあって、インタヴューは淡々とした感じで進みました。気難しいところもあるので、あんまり無礼な質問はできません。それでも、こちらの質問に対してすべて丁寧に答えてくれました。サンキュー、ロンさん。
今回は新作のビッグ・バンドと、「マイルス・デイヴィスの真実」用のお話を。ラジオではそろそろロンさんがマイルスのバンドに入る下りが近づいています。なので、そのときは本人のコメントを使おうと考え、入団のいきさつなんかについて語ってもらいました。もちろんずっと以前にその話も聞いていますから、演奏にたとえるなら再演ってことですね。
それが終わっていよいよライヴの開始。ドラムレスのピアノ・トリオ編成です。ロンさんのひとがら同様、穏やかで淡々としたジャズがいい雰囲気で演奏されました。室内楽的ジャズとでもいえばいいでしょうか。
そもそもトリオ結成のきっかけになったアルバム『ゴールデン・ストライカー』のタイトル曲はモダン・ジャズ・カルテットの有名なレパートリーです。楽器の編成は違いますが、モダン・ジャズ・カルテット的なアンサンブルがロンさんのトリオでも楽しめました。
アコースティックな音色を大切にしながらのインタープレイ。このトリオならではの穏やかで、それでいてスリリングな展開が面白かったです。アンコールも含めてあっという間の80分。ロンさんはまだまだ音楽的に枯れていません。これからの活動も楽しみになりました。
このトリオによる2枚目の作品もよかったですね。