昨日は渋谷のカフェanoでトーク・イヴェント。小さな店にちょうどいい感じでお客さんが集まってくれました。
始まる前に司会者兼インタビューアーの高橋慎一さんと打ち合わせをしたのですが、そこから早くもふたりの間ではトーク・イヴェントがスタートしてしまったような状態になりました。そんなわけですから、結局ほとんど打ち合わせらしきものはしないままイヴェントが始まってしまいました。
話は、この間アメリカで観てきたストーンズやポール・マッカートニーから始まって、最初から大脱線気味。途中でレコードをかけるつもりでいたのですが、関係者に促されて最初の曲をかけたのが1時間後でした。

そこでやっとスリー・サウンズの「ジョージア・オン・マイ・マインド」をかけてひと息。後半は最低2曲はかけるぞと意気込んだものの、また話に夢中になってしまいました。レコードをかけなきゃと思いなおして2曲目をかけたのが、終了5分前。ウエイン・ショーターの『アダムズ・アップル』からA面1曲目のブルースを聴いて、今回は終わりとなりました。
ひとりで話すのは苦手ですが、相手がいると、ぼくは喋りまくる癖があります。昨日もその癖が出てしまいました。話しているうちに、いろいろなことを思い出してくるんですね。だから、打ち合わせはあってもなくても同じです。とにかくあっちに飛んで、こっちに飛んで、そのうち最初の話が何だったのかわからなくなってしまいます。高橋さんが軌道修正してくれたから、何とか後半はブルーノートの話が中心になったかと思いますが。
原稿を書くときも同じです。ぼくは、基本的に構成を考えずに書き始めます。事前に考えているのはどうしても外せないことだけです。それでとにかく書き始めると、あとは思いつくままに進めていきます。
ひとつのことを書くと、それから派生していくつかのことが思い浮かびます。それで次にそれを書くと、さらにいくつかのことが浮かびます。そんな感じですから、終わってみないとどうなるのかまったくわかりません。
ただし、話をするのとは違いますから、あとでいくらでも修正ができます。ですから、とにかく最初は思いつくままに、書きたいことを、構成など気にせず書いておきます。文字数も気にしません。指定された文字数も大幅にオーヴァーしています。
こういう状態ですから、一応書き終わった段階で完成度は30パーセントにも達していません。この原稿は、しばらくそのままにしておきます。4~5日とか1週間とかはそのままです。それで一度、原稿のことを頭から締め出して、フレッシュな気持ちになったところで見直しを始めます。ここからが本当の仕事です。文章をチェックし、事実を確認し、不要なものを削ったり、必要なものをつけ足したりしながら文字数の調整もします。
原稿を書く方法はいろいろありますが、ぼくはずっとこうやってきました。いい加減な性格ですから、事前にどういう内容にするかをきちんと考えておくことができません。そういうことを試みたこともあるんですが、結局、書いていて面白くありません。自分が書いて面白くない文章を、ひとが面白いと思ってくれるでしょうか?
このブログもそうやって書いています。だから、今日はイヴェントの話を書いていたのに、いつの間にか原稿の話になってしまいました。
そうそう、今度の金曜日と土曜日にもトーク・イヴェントがあります(これも、いま書きながら思い出したことです)。金曜日が新宿の朝日カルチャー・センター、土曜日が駒場東大前にある「オーチャード・バー」でやります。詳細は「Works & Information」に載っています。興味がある方はぜひご参加ください。
この先も、しばらく毎週土曜日にイヴェントが続きます。またこのブログで紹介しますから、よろしく。