
横須賀にお住まいの先輩ドクターでもある三上剛志さん(写真左)のことです。いやぁ~参りました、というか呆れました。このひとのコレクション、尋常じゃありません。
畏友である行方均さん(写真右)のラジオ番組である衛星デジタル放送ミュージックバードの「もっともっとブルーノート」な番組『プロファウンドリー・ブルー』。そのゲストとして三上さんに出演していただくにあたり、お宅にお邪魔をしてそのコレクションを開陳してもらいつつ、番組を収録しちゃおうという企画に「小川さんもおいで」と言われたので、ふたりして京急に乗って、横須賀の手前、県立大学という駅で降りて三上医院に行ってきました。

とにかく半端じゃありません。レコードはブルーノートのコンプリート・コレクション(ぼくのよりコンディションのいいものいろいろあり)をはじめ相当な数があるんですが、それを凌駕してあまりあるのがオーディオ装置。
なにせ三上医院というか三上邸(お住まいは別のところらしい)は1階が医院で、2階がモノラルの間、そして3階がステレオの間となっています。

ラジオ番組は2週間分の収録なので、まず最初はモノラルの間でウェスタン・エレクトリック社製、1940年代の劇場用音響装置で、ブルーノートのSP、10インチLP、12インチLPを聴きました。

びっくりしたのはバド・パウエルの「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」。上記3種類のヴァージョンで聴いてみたら、だんだんと聴きやすい音質に変貌を遂げていました。SP盤はいい意味で「乱暴な音」です。ほとんど音を加工することなくプレスしたんでしょう。その後にマスタリングの技術が出てきて、最後の12インチLPになると、ヴァン・ゲルダーが監修して、ちゃーんとヴァン・ゲルダー・サウンドになっていました。

ステレオの間では憧れのアヴァンギャルドがデーンと構えてぼくたちを待っていました。ラジオでは2回目の放送分になるこちらでは4000番台後期の作品を。聴きたいものを選んでいったらジャズ・ロックばかりになってしまったんですが、アヴァンギャルドで格調のあんまりお高くない演奏を聴くのもオツなもの。これも大変楽しい時間となりました。

呆れたのは、いくつも部屋があって、それぞれの部屋に超高価なオーディオ装置が2組以上ずつあること。その一番安い装置でも、ぼくのものとは一桁金額がちがうんじゃないかな?

ここまでくると羨ましさはとっくに失せて、どうでもよくなってくるから面白いです。これ、維持するの大変でしょうね。オーディオは生き物ですから。
しかも三上さんのコレクションはオーディオやレコードにとどまりません。「趣味の獄道」というHP(
http://www.gokudo.co.jp/)を覗くと、信じられないほどいろいろなものをコレクションしています。笑っちゃったのは自動車。こんなに持っててどうするの? というほど、次から次に出てきます。しかもすごい車が何台もあるんですから、もう「勝手にしてよ」です。

同じ医者なのに、この差。どこでどうやったらこうなれるのか。それから三上さんのエライところは、いまだコレクター魂が旺盛なことです。後輩のぼくがそろそろコレクションの処分に手をつけ始めているのに、このお方はまだまだ血気盛ん。とどまるところを知りません。お見それしました。

そういうわけで、帰りの京急では行方さんとディレクターの岩崎さんが一緒だったんですが、ぼくはすっかりエネルギーを抜かれた気分でした。でも心地のよい疲労感で、これはこれでとても刺激になりました。

なお、行方さんのブログ(
http://popopunch.blog9.fc2.com/blog-entry-149.html)では、この模様がもっと面白く書かれています。三上さんのHPも必見ですよ。