「よもやま話」の翌日(18日)、「le sept」のママ、のりこさんに誘われて、銀座の8丁目に先月オープンした「Bar Chase」に行ってきました。このお店、テナー・サックスの中村誠一さんの息子さんがオーナーです。
この日は午後2時から誠一さんのカルテットがライヴをするというので、佐藤礼央さんとゴメスも交えての4人でお店にお邪魔しました。息子さんの誠吾さんはお若いのに、立派なお店を切り盛りしていました。カウンター内では彼も含めて3人がバーテンダーを務めています。重厚な内装で、棚にはお酒がギッシリ。
バーについてはまったくの素人ですが、その素人が見てもすごいことがわかります。かなり本格的なバーで、そういうお店を開かれたのは大変なことだと思います。
誠一さんは、初代山下洋輔トリオの一員としてぼくの青春時代に血湧き肉踊る演奏を何度も聴かせてくれたひとです。「新宿ピットイン」での凄絶な演奏や日比谷野外音楽堂で暴れまくっていたことなど、昨日のように覚えています。その彼も、いまでは円熟味に溢れたプレイで、「デサフィナード」や「サマータイム」といったお馴染みの曲をいろいろ聴かせてくれました。
嬉しかったのは、ピアノの吉岡秀晃さんと久々に会えたことです。彼とは、今津雅仁さんのバンドにいたときに知り合い、その後はアルバムのコ・プロデュースをさせてもらったり、初めてのコンサートのときに司会をさせてもらったり、という関係でした。この20年近く会っていなかったんですが、気さくな人柄や抜群のスイング感は昔のまんま。
うだるような暑い日曜の午後を、洒落たバーでジャズを聴き、その後は夕食ということになりました。そこで思わぬハプニングが。
のりこさんと佐藤さんからバースデイ・プレゼントをいただき、お店ではスタッフによるハッピー・バースデイの合唱まで。誕生日は来月なので、これは予期せぬ出来事でした。お店でハッピー・バースデイを歌ってもらったのは生まれて初めて。こういうの、恥ずかしいから断ってきたんですが、ひとの好意には甘えるものですね。赤いチャンチャンコが出てこなくてよかったです。
佐賀牛のお店でしたが、ぼくは野菜と魚にしてもらいました。みなさんが食べていた佐賀牛と野菜のせいろ蒸しのおいしそうなこと。霜降りのお肉、以前だったら大喜びで食べたでしょうが、横目で睨みつつ(心の中でよだれも流しつつ)、いまのぼくは野菜と魚で満足です。
ぼくは可愛いくなくて、誕生日といっても特別な1日とは思わない性格です。それでも、やっぱり祝ってもらうのは嬉しいですね。楽しい食事を終えて外に出たら、昼間の暑さが嘘のように消え、心地よいそよ風が吹いていました。日曜の銀座の夜は閑散としていて、これはこれでちょっとした風情を覚えました。