
11日に「すみだトリフォニー」で観てきました。とにかく圧巻! オーケストリオンの威力と面白さをまざまざと見せつけられました。
「パット・メセニーひとりオーケストラ」ともいうべきこのオーケストリオン。そもそもは、19世紀にオーケストラやバンドのような音を自動的に奏でるよう設計された音楽演奏装置です。

こんな楽器(?)です。手回しオルガンとかオルゴールみたいな方式で音を出したり、パイプ・オルガンのようにパイプで様々な音を発生させます。また、打楽器も空気圧で操作することができるようになっていました。そこから発展し、ピアノや弦楽器を含むオーケストリオンも開発されたそうです。ぼくは、思わず「からくり人形」をイメージしてしまいました。

このオーケストリオン、ジャズが流行した1920年代のドイツで広く使われていたといいます。となれば、ブルーノートの創立者であるアルフレッド・ライオンもこの楽器が奏でる音楽に親しんでいたのでしょうか。

その現代版が、パット・メセニーの発注したオーケストリオンです。コンピューターで制御されているんでしょうが、楽器の種類も多いですし、相当複雑な構造になっているみたいです。これをステージでライヴ演奏するとなれば、パットはもとよりスタッフもかなりの緊張感を強いられるんじゃないでしょうか。

感心したのは、このオーケストリオンとの共演(?)でも、パットが完璧なプレイをしていたことです。オーケストリオンのプログラミングはどうなっているんでしょう? あらかじめプログラミングしておけば、あとはスイッチをポン! と押すだけで始まるんでしょうか? きっと、そんなに単純なものではないんでしょうね。
それから、ここまでやるならパットのプレイもあらかじめプログラミングしておいて、幕が開いたら彼がステージに登場し、スイッチをポンで演奏開始っていうのはどうかなぁ、なんて。スイマセン、不謹慎な思い付きでした。

機械操作の中から生み出された手作りによる創造的な音楽──ステージを観ながら、こんなことを考えていました。
テクノロジーと感性の一体化。
テクノロジーが強調されすぎたらただの機械が奏でる音楽になってしまいますし、ミュージシャンの感性で勝負するならオーケストリオンのような「装置の権化」は不要でしょう。
パットはその両方を巧みに掛け合わせ、絶妙なバランスで自身の音楽をステージ上でクリエイトしてみせました。百聞は一見にしかず。この凄さ、素晴らしさ。それを目の当たりにできた幸せは言葉で表現できません。いい音楽を聴かせてもらったと同時に、いいものも観せてもらいました。

翌日は、コンサート開始前の30分だけですが質疑応答に応えてくれました。それでいろいろ聞いてみたのですが、やっぱりどうやってこのオーケストリオンを動かしているのか、ぼくにはよくわからなかったです。ギターがひとつにデヴァイスになっていて、4種類のソフトを用いて、ステージ上で演奏しながら操作もしているみたいです。

ギターやベースには掃除機の吸引装置みたいなものを応用しているといっていました。

これは水の量でチューニングされているボトル。白い液体はなんでしょう? カルピス? なわけ、ないですよね。

ピカソの威容です。何本の弦が張られているのでしょう?

このオーケストリオン、値段はどのくらいなんでしょう?