先週の金曜日(5月28日)ですが、「ブルーノート東京」で、ボサノヴァの大御所というかブラジル音楽の重鎮ふたりによるライヴを観てきました。
「ブルーノート東京」はブラジルのアーティストも多数出演します。マルコス・ヴァーリは過去にも何度か観ていますが、ホベルト・メネスカルとの共演は初めて。まず最初にマルコスが数曲を歌います。1曲目から最大のヒット曲である「サマー・サンバ」が登場。
その後にゲストの形でメネスカルがステージに現れました。そして「小船」など両者の共演が続き、今度はマルコスが退場。メネスカルのギター、これがまたいいんです。ちょっとジャジーなフレージングもありますが、肩から力が抜けていて、心地のよい響きが楽しめました。
タンバ・クァトロのメネスカル。大学に入ったころによく聴いていたっけ。ぼくにとってはとても懐かしいひとです。彼みたいなギターが弾けたら気持ちいいでしょうね。ヴォーカルも本気じゃないような感じで、これぞボサノヴァの極意でしょうか。
現在のマルコスはブラジル音楽にクラブ・ミュージックの要素を取り込んだサウンドで高い人気を博しています。そういうタイプの曲もありましたし、近々出る新作『Esphera』からの曲もいくつか紹介してくれました。それでも、今回はメネスカルとの共演ということもあって、ボサノヴァ寄りの音楽が中心。これがよかった。マルコスが弾くフェンダー・ローズの音色とメネスカルのギターの響きが相性抜群。都会的なサウンドに素朴さが混在していて、こういう雰囲気は好きです。
実はパフォーマンスが始まる前、マルコスにインタヴューをさせてもらいました。これは近々「Jazz Conversation」で紹介したいと思います。「サマー・サンバ」誕生の裏話も聞いています。これにもメネスカルが関係していました。
今回は時間の関係でメネスカルにインタヴューはできませんでしたが、彼こそボサノヴァ誕生の立役者のひとりですから、次にチャンスがあったら絶対に、ナラ・レオン、トム・ジョビン、ジョアン・ジルベルトなんかの話を聞いてみたいと思います。
【本日のおまけ】
昨日は、次回作のレコーディングで来日しているサリナ・ジョーンズの食事会に行ってきました。彼女は相変わらず元気いっぱい。今日からリハーサルをして、来週はじめに録音する予定とか。最後に大好物の特性フカヒレ入りラーメンをおかわりして、絶好調でした。