
おとといの日曜日、「ブルーノート東京」で最初の回を観てきたのですが、場内は超満員。後方の通路までひとが埋まっていました。ソフィー・ミルマンをジャズ・クラブで聴くのは初めて。前回観たのは、2006年にプロモーションのためカナダ大使館で開かれたミニ・ライヴでした
http://ogawatakao.exblog.jp/3542914/。
当時のソフィーは女子大生。そのときも見事な歌いっぷりでした。そして4年が経ち、いまや立派なジャズ・シンガーに成長した彼女は、この日も素晴らしい歌の数々を聴かせてくれました。テナー・サックスを加えたバックのカルテットもよかったです。ピアノ・トリオによる伴奏ではなく、サックス入りということで、俄然ジャズ・コンボにシンガーが加わる風情となり、これが彼女のよさを引き出していたと思います。

まだ新人ですが、ソフィーの歌には華があります。これからさらに個性が身につけば、と思いながらステージを楽しんできました。彼女にはさまざまなカルチャーがミックスされています。生まれはロシアのウラル山脈地方。7歳でイスラエルに移住したものの、政情が不安定になってきたため、16歳でカナダのトロントに再び移住しています。こうしたバックグラウンドもソフィーの歌からは少しずつ感じられるようになってきました。

これが個性に結びつけば、独特のシンガーになれると、ぼくはデビューのころから思ってきました。それから、若いがゆえの屈託のなさも魅力です。昨年出た新作『テイク・ラヴ・イージー』では、ブルース・スプリングスティーン、ポール・サイモン、ジョニ・ミッチェルなどの曲もカヴァーしていました。この作品、お気に入りです。
こういう曲を歌っているせいか、カナダでは「スムース・ジャズ・アワード」にノミネートされるなど、ジャズ・シンガーのジャンルを超えた人気を獲得しているようです。日本でもきっと同じ受け止められ方をしているんでしょうね。「ブルーノート東京」のステージでは、スプリングスティーンの歌も披露してくれましたが、それも含めて生粋のジャズ・シンガーぶりをたっぷりと味わわせてくれました。
前途洋洋の若手によるステージを観ていると、こちらも楽しくなってきます。今後、ソフィーがどんなシンガーになっていくのか、見届けたいものです。ここしばらく、カナダ出身のジャズ系女性シンガーに優れた才能のひとが目立つようになってきました。何か理由があるのでしょうか?
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