
ビートルズはマイルス・デイヴィス以上にぼくの人生に大きな影響を与えた存在です。初めて聴いたのは1964年の春。中学2年に進級する直前、そのころよく聴いていたFENから流れてきたのが初体験。
最初に聴いた曲が「抱きしめたい」だったか「シー・ラヴズ・ユー」だったか、はたまた「プリーズ・プリーズ・ミー」だったか。そこのところがはっきりしないけれど、とにかくそれらのどれかで、ほぼ同時にこれら3曲を含めてその他の曲も、1日に何度も流れるようになりました。

実のところ、最初はそれほどピンと来ませんでした。しかし、何度か聴いているうちに夢中になって、レコード屋さんに行ったらちょうど最初のシングル盤「抱きしめたい」が出たところで、躊躇なくそのシングル盤を買いました。
B面は「こいつ」。すごいタイトルでしょ。「This Boy」のことですが、「抱きしめたい」にしても「こいつ」にしても、13歳のぼくにはタイトルからしてインパクトありすぎで、「抱きしめたい」より「こいつ」のほうが好きになってしまいました。あの3声ハーモニーの美しさに、にきび面の少年が魅了されたのです。
調べてみるとこのシングル盤、発売は64年2月5日。それから毎月5日に、月刊誌のようにビートルズのシングル盤が発売されました。3月は「プリーズ・プリーズ・ミー/アスク・ミー・ホワイ」、4月5日は「キャント・バイ・ミ・ラヴ/ユー・キャント・ドゥー・ザット」と「フロム・ミー・トゥー・ユー/アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」の2枚、5月はついに3枚も出て、ぼくは悲鳴をあげます。

レコード盤の溝が擦り切れるまで聴いた体験はこのビートルズのシングル盤が初めてです。とにかく毎日それぞれ10回以上は聴いていました。その間の4月5日には最初のアルバム『ビートルズ!(Meet The Beatles)』も出て、これは進級祝いに買ってもらいましたっけ。
64年はぼくの人生において運命的な1年でした。ビートルズに出会い、6月にはやがてジャズにのめり込むきっかけとなった『ゲッツ=ジルベルト』を買い、7月にはマイルスの初来日コンサートに行っています。そして東京オリンピックが開幕した10月10日、テレビの音声を消して開幕式を観ながら、生まれて初めて結成したバンド(ベンチャーズのコピー・バンド)の最初の練習をしました。
ちなみにベンチャーズが日本で人気が出たのは2回目の来日(1965年1月、アストロノウツとのダブルビル)で、これ以降、全国津々浦々でベンチャーズのコピー・バンドが誕生します。ぼくたちはその前からやっていました。これってすごいことでしょ。まだほとんどのひとがベンチャーズのことを知らない時期に、ぼくたちは注目していたんですから。しかも中学2年の子供が(ここ、大自慢しているところです)。

ぜんぜん昨日のことが書けません。次回の「ONゼミ」はベンチャーズ特集で行きましょうか。いや、昨日のビートルズも『ヘルプ』まで行くはずだったんですが、その前で終わってしまったので、あと2回くらいはやらないと最後まで行けません。次回の「ONゼミ」もビートルズでいくか、それともベンチャーズかそのほかのテーマにするか。まだ決めていませんが、やっぱりビートルズかな。断続することに意味がないですから。

それで、昨日はこんな曲をみなさんと聴きました。最後になってしまいましたが、お忙しい中、駒場のわかりづらい場所にある小さな、だけどアット・ホームな「Orchard Bar」にお越しいただいたみなさん、どうもありがとうございました。ぼくの脱線話、楽しんでいただけたらいいのですが。
【Songlist~60年代音楽「ビートルズ パート1」】
シングル「マイ・ボニー」(1961年)
シングル「いい娘じゃないか」(1961年)
アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(1963年)より
「ラヴ・ミー・ドゥ」
「プリーズ・プリーズ・ミー」
「アスク・ミー・ホワイ」→「ジス・ボーイ」(シングル盤)に変更
「ゼアズ・ア・プレイス」
シングル「フロム・ミー・トゥ・ユー」
シングル「シー・ラヴズ・ユー」(1963年)
シングル「抱きしめたい」(1963年)
アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(1963年)より
「オール・マイ・ラヴィング」
「ドント・バザー・ミー」
「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」
アルバム『ア・ハード・デイズ・ナイト』(1964年)より
「ア・ハード・デイズ・ナイト」
「アイ・シュッド・ハヴ・ノウン・ベター」
「イフ・アイ・フェル」
「キャント・バイ・ミー・ラヴ」
アルバム『ビートルズ・フォー・セール』(1964年)より
「アイム・ア・ルーザー」
「ミスター・ムーンライト」
「エイト・デイズ・ア・ウィーク」
シングル「アイ・フィール・ファイン」(1964年)
★これは次回へ
『ヘルプ/4人はアイドル』(1965年)より
「ヘルプ」
「涙の乗車券(ティケット・トゥー・ライド)」
「アイ・ニード・ユー」