1週間ほど前のことになりますが、丸の内の「コットン・クラブ」に出演していたジェラルド・クレイトンのインタヴューをしてきました。
旬のピアニストとして注目しているのがこのクレイトン。自分のトリオで初の来日ということから、ステージでは張り切ったプレイを聴かせてくれました。こういう優れた人材が登場してくることにぼくは大きな喜びを覚えます。まさにピアノのニュー・ブラッド。
オーソドックスなスタイルですが、そこに現代の風味が遺憾なく発揮されていて、彼個人だけでなく、ピアノ・トリオとしても聴き応えのあるステージが満喫できました。聞けば、この3人は高校時代に出会ったとのこと。その後、プロで活動するようになってレギュラー・コンボを結成したそうです。そういうわけで、初リーダー作の『トゥー・シェイド』もこのメンバー(ベースがジョー・サンダース、ドラムスがジャスティン・ブラウン)で吹き込まれています。
ステージ終了後に楽屋でラジオ用にインタヴューしてきましたが、自分の音楽を確立した意図といったことを熱い口調で語ってくれました。この模様は2月放送の「Jazz Conversation」で紹介しますね。余談ですが、腕時計がほしいので渋谷に買いに行こうかななんていう話もしてくれました。あと、ジェラルドはヌードル好きでした。
ご存知のかたもいると思いますが、彼の父親はベーシストのジョン・クレイトンで叔父さんがアルト・サックス奏者のジェフ・クレイトン。ふたりでクレイトン・ブラザーズとして活躍していますし、そこにじぇラルドも加えて1週間ほど前にレコーディングも済ませたそうです。
以下に「コットン・クラブ」のHPにアップされていた紹介を貼り付けておきます。これでジェラルドがどんなピアニストかわかると思います。
1984年5月11日オランダ・ユトレヒト生まれ。幼少期よりアメリカに移住し、豊かな音楽環境の中で育つ。2006年のセロニアス・モンク・ジャズ・ピアノ・コンペティションでは堂々の2位を獲得。同年以降、ロイ・ハーグローヴ・バンドのピアニストとして様々な形でツアーに参加し、09年9月に「ブルーノート東京」で行われた渡辺貞夫公演でもフレッシュな感性でステージを盛りあげた。また、ダイアナ・クラールをはじめとするミュージシャンのレコーディングに参加し、ダイアナをして『素晴らしいピアニスト、あんなにかっこいい録音が出来たのも彼のおかげ』と言わしめた逸材でもあり、ニューヨーク・タイムズでも「オスカー・ピーターソンを彷彿とさせるプレイスタイルの逸材」と紹介される。生存競争が激しいN.Y.の若手ジャズ・シーンにおいても飛び抜けた才能とイマジネーションが繰り出す彼。SmallsやJazz Galleryといった地元でも最も耳の肥えたオーディエンスを相手に最前線で活躍するまさに時代の寵児が堂々の本人名義のトリオで日本初登場。