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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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「証言で綴る日本のジャズ」

「ジャケ裏の真実
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小川隆夫ONGAKUゼミナール
@銀座le sept
3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


■TALK EVENT■
民音音楽博物館
「3月文化講演会」@神戸
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TEL: 078-265-6595

詳細やその他ライナーノーツなどは 「Works & Information」へ>>
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2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」
2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」_e0021965_20561651.jpg
 この年になると、生きててよかったと思うライヴも何度か経験しています。昨日観たスライのステージもそのひとつでした。一緒に観ていた平野啓一郎さんのチェックによればスライの出演時間は13分。去年より2分長かったそうです。そしてアンコールでステージに登場していたのは2分間だけ。この15分で、ぼくは人生の中でかなり順位の高い幸福感を覚えました。

2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」_e0021965_20562983.jpg
 スライ・ストーンは青春時代のアイコンのひとり。ウッドストックの映画で動く姿を初めて観たときの強烈な印象。眼光鋭く、そしてそれと同じくらいシャープなファンクのリズム。レコードで聴いていた以上の衝撃を覚えました。

 当時のぼくは彼らのやっているファンクよりスタックス・サウンドに夢中だったので、関心はあったものの、この映画を観るまではそれほど気になる存在でありませんでした。ディスコでかかるダンス・ミュージックぐらいにしか思っていなかったんですね。

2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」_e0021965_20564173.jpg
 しかしウッドストックのステージを観てスライが時代のメッセンジャーであることを知ってからは、音楽もさることながら、彼が発信するメッセージにも注目するようになりました。日本も70年安保の前後で騒然としていましたし、ノンポリのぼくでも多感な時代を生きていましたから。

 あれから40年。スライがこういう形でぼくたちの前に戻ってくるとは。去年の「東京Jazz」でも感じましたが、ステージでのスライは飄々としていて、それでいながら登場するや空気が一変してしまうほど強い存在感を漂わせていました。

 それまでルーファスが熱演していたステージはなんだったのだろう? 素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれた彼らの1時間はスライのひと声でかすんでしまいました。

2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」_e0021965_20565611.jpg
 ルーファスについても触れておくなら、女性シンガー5人を加えた総勢13人。彼女たち(全員がとびきりのおでぶちゃん)が次から次へと素晴らしいノドを聴かせて、これでもか、これでもかと場内を盛り上げ、還暦イヤーを今年迎えるぼくは少々へばり気味のところでスライが登場。その途端、いっきにアドレナリンが体内を駆け巡り、ぼくは蘇生しました。

 うまさとか音楽性を超えているのが現在のスライです。そこにいてくれるだけで十分。ぼくにとっては人間国宝のひとですから、長い時間ステージに立たなくていいんです。正味15分でももったいないくらい。

2010-01-21 ルーファス+スライ@「BNT」_e0021965_20571614.jpg
 留学時代に一度だけ再結成されたスライとファミリー・ストーンを観ましたが、あのときに比べてなんてお爺ちゃんになっていることか。ステージではマイクを持たずに歌いはじめ、女性シンガーがマイクを差し出したり、飲み物をわたしたりと、上げ膳据え膳状態です。とにかくスライには気分よく時間をすごしてもらいたい。聴衆もそんな感じで見守っていたのではないでしょうか。

 ぼくは彼の姿に、ソウルの未来はこういうことだったのかと思いました。この気持ち、うまく言葉で表せません。つまり、60年代に一所懸命ソウル・ミュージックを聴いていたときのぼくは、それから40年後にみんながどうなっているかなんて考えてみたこともありませんでした。それを、いまぼくは現実として体験しているわけです。

 この心地のよさはどこから来るのか。音楽の究極は音楽性を超越することかもしれません。ぼくはとっくの昔に音楽的にどうだとかこうだとかいうことは考えなくなりました。そんなこと、どうでもよくなっちゃったんですね。自分にとって心地がよいか、楽しめるか、幸せな気分になれるか、そういったことが大切だと気がついたんです。

 昨日のスライもまさしくそうでした。音楽的にはルーファスのほうが圧倒的に勝っていました。でも吸引力はスライがはるかに上です。あの15分間は至福の時間でした。かなうことなら来年も「ブルーノート」に戻ってきてほしいなぁ。
by jazz_ogawa | 2010-01-21 22:58 | ライヴは天国 | Trackback | Comments(7)
Commented by moto at 2010-01-21 23:24 x
小川さんたびたびこんにちは.
>ぼくはとっくの昔に音楽的にどうだとかこうだとかいうことは考えなくなりました。そんなこと、どうでもよくなっちゃったんですね。自分にとって心地がよいか、楽しめるか、幸せな気分になれるか、そういったことが大切だと気がついたんです。

 小川さんとは、パンドラと地球ほどの違いはありますが、大共感!!
 ボクもウン十年前に、書を捨てて町ではなく、不要な知識を捨て音楽を楽しむようにしました・・・・だから、今になって1500番台聴いても、新しい発見ばかりです(汗)
Commented by jazz_ogawa at 2010-01-22 08:51
motoさん、楽しみ方はひとそれぞれで、自分なりのスタイルを持つことが大切なんでしょうね。1500番台で新しい発見、ぼくもあります。そういうときって嬉しいです。
Commented by funkytop at 2010-01-22 17:25 x
小川さんのいつになく感動されている様が行間に溢れ出ていますね。
私も体験したかったなあ、、、
Commented by jazz_ogawa at 2010-01-22 23:01
funkytopさんは行かなかったんですか? それは珍しい。
Commented by 琢磨 at 2010-01-24 02:48 x
スライが勝ってたとかルーファスが勝ったとか、つまらない。そういう人を卑下して一方の物事を正当化する表現で気分を害しました。どちらも存在理由のはっきりした素晴らしい音楽だったと思います。
Commented by jazz_ogawa at 2010-01-24 08:48
琢磨さん、なるほど、言われてみればその通りですね。反省です。
Commented by ソレトン at 2010-02-01 11:45 x
琢磨さんのコメントを読んで、もう一度よーく読み直してしまいました。
卑下している部分がわかりません。
スライを正当化している部分もわかりません。もしも、そーであったとしても、小川さんのブログですから、何を書こうと自由。
あ~小川さんは、こう思いながら見ていたのだな~と思ったしだいですが、琢磨さんは、つまらなくて、気分を害してしまったのですね。
今後も、多分小川さんのスタンスは変わらないと思うので、読まないことをおススメします。
そして、小川さんは、反省せずに、そのままでお願いします。
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