数日前ですが、ベーシストのちんさんこと鈴木良雄さんのインビューをさせてもらいました。ちんさんとはニューヨークに留学していたときに知り合いましたから、25年以上の付き合いになります。あのときは本当にお世話になりました。
顔立ちからもわかるように、ちんさんは非常に優しいひとで、せち辛いニューヨークでジャズ・ミュージシャンとしてずっとトップのひとりに居続けてこれたことにぼくは敬服しています。渡米してすぐにスタン・ゲッツのグループに抜擢され、その後はアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに入って世界中で大活躍。
ぼくがちんさんと知り合ったのは、ジャズ・メッセンジャーズで一緒だったビル・ハードマンとジュニア・クックが結成していたクインテットでニューヨークの「Jazz Forum」に出ていたときのこと。さっそく翌日ちんさんのアパートにお邪魔をして、その後は家族ぐるみでお付き合いをさせてもらいました。
インタビューではそんな思い出話から始まり、昨年ベーシストとなって40周年を記念したアルバムの『My Dear Pianists』、『スイングジャーナル』誌の「2009年度 南里文雄賞」受賞、それから2月8日に紀尾井ホールで開催される「40周年記念コンサート」のことなどを聞きつつ、そのアルバムからの曲や、ぼくの大好きな「ウイングス」を聴くという内容です。この模様は1月31日放送の「Jazz Conversation」で。
ところでちんさんの「ウイングス」。彼が書くメロディには美しいものが多いのですが、とりわけこの曲は名曲だと思っています。ニューヨーク時代に、そのころちんさんが一緒に活動していたメンバーと吹き込んだ『ウイングス』のタイトル・トラックです。その演奏が大好きだったことから、ぼくは自分の会社をウイングスという名前にしています。
ちなみにレコーディングの仕事を請け負うときの会社名は「Flatout Productions」。こちらの名付け親はジョン・スコフィールドで、彼の曲名から会社の名前をもらいました。
ちんさんは、自宅の地下に「フレンズ・ミュージック」というスタジオを持っています。インタビューはそのスタジオでしました。ちんさんが発表するアルバムのレコーディングは現在ではほとんどこのスタジオで録音されています。小ぢんまりとしたいいスタジオで、まるでちんさんの人柄そのものの暖かい雰囲気でした。
2月8日のコンサートも楽しみです。アルバム『My Dear Pianists』に参加した6人のピアニストの中から、秋吉敏子、イサオササキ、野力奏一、山本剛のみなさんがちんさんとデュエットを繰り広げるそうです。ぼくもぜひ行きたいと思っています。
それからぜんぜん関係ないですが、本日、日曜の16時からはInter-FMでの「Jazz Converastion」。素っ頓狂な番組ですから、冷やかし半分に聴いてください。決してマジには受け止めないように。本当の話もあれば出鱈目や口から出まかせもあるんですから。