先日の月曜日(23日)ですが、「ブルーノート東京」でディー・ディー・ブリッジウォーターのインタヴューをしてきました。まだ公表しちゃいけないので具体的なことは書けないのですが、1月から始まる新しい企画のための初仕事です。
ディー・ディーといえば、1974年のことですが、サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラに帯同して初来日しました。まったく知らなかった新人、しかも若い可愛らしい女性がこんなに見事なジャズ・ヴォーカルを聴かせてくれるのかとびっくりしたものです。
そのときに日本で吹き込んだ『アフロ・ブルー』がディー・ディーのデビュー作になりました。ぼくと同じ歳の彼女の素晴らしい歌いっぷりは、いま聴いても感動ものです。そして、それからディー・ディーはブロードウェイや映画の世界に進出し、ジャズの世界、それもそれまで彼女が歌っていたオーソドックスなジャズ・ヴォーカルの世界から離れてしまいました。
その時代のディー・ディーも好きですが、やっぱり彼女はオーソドックスなジャズ・ヴォーカルが似合います。そういうわけで、このところはずっとぼく好みのアルバムを連発してくれているので大満足です。
それで今回は、ビリー・ホリデイにトリビュートした次回作を引っさげての来日です。発売は来年ですが、ビリーの愛した歌の数々をディー・ディーが歌うとどうなるか、そこが聴きものです。
彼女を最後にインタヴューしたのは20年近く前のことです。あのときとまったく同じ笑顔、優しさ、そして饒舌ぶりでぼくを迎えてくれました。「ブルーノート東京」の初日に、しかもそのステージの直前に行なわれたインタヴュー。それにもかかわらず、いろいろな話をしてもらいました。内容は、1月から始まる新プロジェクトのお楽しみということで。
今回のベーシスト、アイラ・コールマンとも久々に会いました。彼はずいぶん以前にブランフォード・マルサリスのレコーディングに参加していて、そのときにインタヴューしたことがあります。
このひと、ぼくは相当な名手だと思っています。それでもディー・ディーにインタヴューする前からステージが始まるまで、ずっとひとりで黙々とベースの練習をしていました。名手にしてこの努力。こういう姿を見るの、ぼくは大好きです。