一昨日、丸の内の「コットン・クラブ」で観てきました。いやぁー、楽しかったです。ぎりぎりに行ったら、なぜか前から二人目の席か、横のカウンター席しか空いてなくて、せっかくだからとかぶりつきで観させてもらいました。
本物のテンプスは一度も観たことがありません。というか、彼らがヒット曲を連発していたころはモータウンを少し軽んじていたんですね。ソウル・ミュージックならスタックスやアトランティック系だろうと。若気の至りで、モータウンのサウンドはコマーシャル過ぎて本物のソウル・ミュージックじゃない、なんてね。
でも、いまではそのコマーシャルなサウンドに強い魅力を感じるようになっているので、つくづく変節の人間なんですね、ぼくは。それにしても楽しかったです。「マイ・ガール」なんて、オーティスの方が100倍いいと思っていたぼくが、テンプスのコーラスに合せて歌っていましたから。ただし、オーティスの節回しで、ね(笑)。
こういう「昔の名前で出ていますグループ」は世にたくさんあります。その中で、テンプテーションズと名乗らず、「ザ・テンプテーションズ・レヴュー」と名乗っているところに好感を覚えました。インチキなグループになると、オリジナル・メンバーがひとりもいなくたって平気でその名前を使って活動していますから。
この「ザ・テンプテーションズ・レヴュー」にもオリジナル・メンバーはいません。でも、デヴィッド・ラフィンの後任としてリード・ヴォーカルを担当したデニス・エドワーズがいるので、由緒はかなり正しいんじゃないでしょうか。ショウ・ビジネスの感覚でいけば、テンプテーションズと名乗ってもおかしくありません。ひょっとすると権利関係で名乗れないのかもしれません。でも、テンプテーションズとしていない点は好ましいです。
それでデニスが加わったテンプス最大のヒット「Papa Was A Rolling Stone」なんかも当然のことながら歌ってくれて、往年のテンプスの雰囲気を存分に味わわせてもらいました。彼らのちょっとした仕草や手の動きとか足の動きがなんともかっこよかったですね。いい歳をしているし、すっかり体重が増えているのに、動きはシャープです。
その昔、高校時代のことですが、新宿に「ジ・アザー」だったかな? そういう名前のゴー・ゴー・ホール(ディスコなんていう名称はまだ一般的でなかった)があり、そこにソウル・ブラザーズという二人組のダンサーがいて、いまでいうパラパラのように、全員が曲に合せて同じステップや手の動きをするダンスが流行っていました。
高校生なので見つかったら補導されてしまいますが、同級生と3人で行ったことを思い出しました。あのときもこういう曲に合せて振り付けを覚え、学校の屋上で昼休みに3人でこっそりと練習したっけ。
テンプス、ミラクルズ、フォー・トップス、シュープリームス、マーサとヴァンデラス・・・モータウンのコーラス・グループはいいですね。リアルタイムでもっと真剣に聴いておけばよかったですけど、あのころはオーティスやサム&デイヴに夢中だったからなぁ。でも60年代のモータウンにもいい曲が多いし、いまとなっては「コマーシャル過ぎて」と思っていたストリングス入りの甘いアレンジも大好きです。いまではモータウンのコンプリート・シングル・ボックスとかも全部買って、遅まきながらモータウン三昧をしています。