お盆休みでここ数日ぶらぶらしているんですが、昨日は銀座でイタリア映画を観てきました。1ヶ月ほど前に封切られていたんですが、ぼくの読んだ新聞でも好評だったことから、友人に誘われて行ってきました。誘われなければ観ることはなかったかもしれません。
大作や目まぐるしい展開とは無縁の内容です。北イタリアの小さな村で起こった殺人事件をひとりの警部が解決していく話で、いわゆるミステリーとは違います。派手なところは少しもなく、淡々と話が進むうちにさまざまな人間模様が描かれていきます。
人を愛することにはいろいろな形があります。重いテーマですが、一方でほのぼのとした気分にもなれました。といっても、寂しい気分のほうが強かったかもしれません。
この映画、イタリアのアカデミー賞にあたる「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」で史上最多の10部門独占という快挙を達成したそうです。こういう映画に高い評価を与えるイタリアの映画人も素晴らしいと思いました。
大画面ならではの派手な映画も好きです。しかし、この映画のように心の襞のひつひとつにジワリと染み込んでくる作品にも惹かれます。それから、この映画、実に美しく景色が描かれていました。ポスターの写真でもわかるように、湖の映像や色が綺麗で、『湖のほとりで』というタイトルそのものの印象的な作品になっていました。
田舎ゆえの人間関係が軸になっていますが、ドロドロしていないところもよかったです。観終わって、素朴とか純情といったものが何かを改めて考えたりもしました。それに比べ、都会で生きている自分はなんて即物的なんだろう、なんてことも思いました。それはそれでいいというか、そういうライフスタイルなんで仕方のないことですが。
この映画を教えてくれた友人には感謝です。この映画が描いている世界とはまったく違う日常を生きているぼく(たち?)ですが、自分(たち)のことを踏まえながら、帰りに友人関係とか人間関係のことなんかについて語り合いました。こういう会話も楽しいですし、日ごろはただただ日常のスケジュールに流されるように生きているぼくにとっては貴重で大切な時間だったと思います。
このところ、打ち合わせや納涼会ということでおいしいものを食べる機会が多かったので、久々になりますが、以前ときどき行っていた自然食の店で夜ごはんを食べてきました。野菜中心の食事です。こういうものを苦もなく、かつおいしく食べられるようになっている自分にびっくりです。慣れは怖いというか、はたまたぼくも成長したというか・・・。自分の体を考えると悪いことじゃないので、自己満足していますが。