

最近、ニューヨークに大きな「食のトレンド」が出てこないような・・・って思ってたら、「
不発に終わったニューヨークの外食トレンド・トップ10」というグルメ情報専門サイトEaterの記事(昨年12月付)を発見。第1位は「フード・トレンド」?! トレンドそのものが出にくくなってるんですって・・・。やっぱりね。最近、ニューヨークで大きくヒットしてる食の新トレンドって、日本のラーメン屋さんくらいかも。

次点は、
ロブスターロール、Banh Miと呼ばれる
ベトナム風サンドイッチ、あとは
カップケーキ屋さんとか?
Eaterの記事はこの変化について、「インターネットで食の情報が大量に行き交うようになったためかも・・・」と分析。でも、むしろ、インターネットによって新しいトレンドは以前より起こりやすくなってますので、それよりも、
(1)もはやほぼ全ての食ジャンルに有名人気店が存在することと、(2)地元の農家さんたちによる青空市場グリーンマーケットの規模が益々大きくなってること、以上2つ現象による影響ではないでしょうか。
(1)もはやほぼ全ての食ジャンルに有名人気店が存在する
90年代くらいまでにほぼ全ての食ジャンルのレストランは登場し、00年代に、新しい「食のトレンド」としてフレンチ・ジャパニーズとか食のジャンルの垣根を取り払った『フュージョン系』が人気となりましたがそれもすっかり定着。もはやニューヨークには、どのジャンルにも有名人気店がたくさん存在してますから、新しいレストランが注目を集めるのはかなり困難な気がします。
ストリートフェアなどでもありがちな屋台より珍しい屋台の方が人気になりやすく、最近は日本人のMiMiさんとCoCoさんが出しているたこ焼き風の
テリヤキ・ボールなどが人気です。
まぁ、誰でも、今日はちょっと変わったもの食べたいなーって思うことありますよね。そういう好奇心を持った人が一人でも多く集まるユニークなものほど、新しい「食のトレンド」として注目されやすいってわけです。
逆に、昔からすでにある食ジャンルや人気レストランの二番煎じ、三番煎になってしまうと、どんなに美味しくてもブレイクしにくいということになります。美味しいのは当たり前で、他にない斬新なアイデアや発見が求められるようになってきたとも言えるでしょう。
(2)地元農家さんたちによる青空市場グリーンマーケットの規模が益々大きくなってる
近年ニューヨークでは、健康への配慮や地産地消支援から青空市場が大人気で、年々規模を拡大中。それはイコール、地元ニューヨーカーの外食需要の減少を意味します。つまり、青空市場が今ほど浸透してなかった時代と比べるとレストランにお客さんが集まりにくくなっているでしょう。
さらに、青空市場の食材よりも新鮮で美味しい食材でなければお客さんに喜んでもらえなくなりました。青空市場には自分で生産したものしか売れないルールがありまして、ここで売ってる食材は全部産地直送。とても美味しい食材が多いうえに、何が美味しいかよく知ってる農家の方々が自分で売ってることが多いです。それより新鮮で美味しい食材を提供するのは、普通のレストランには相当ハードル高いと思います。これも新しいレストランがブレイクしにくい背景の1つじゃないかなと思います。
そんなわけでニューヨークの食レポ系メディアでも、新しいトレンド情報の代わりに「お馴染みのあの味」みたいな特集が増えてるような気がします。例えば、以前このブログでもご紹介した「
ザガットが選んだ地元ニューヨークを代表する9つの食事」とか。
またEaterは、このような状況を指して「今私たちはフードトレンド後のニューヨークに住んでいるのかもしれない」(
we might be living in a post-food trend New York City)と記事を結んでいます。興味深い指摘です。
青空市場グリーンマーケット
青空市場には野菜、フルーツ、チーズ、パン、お肉、ワイン・・・等など
シュリンプ入りテリヤキ・ボール
続々と新しいカップケーキ屋さんが登場
ベトナム風サンドイッチ、Banh Mi
ロブスターロール〔ご参考〕
・
10 NYC Dining Trends That Didn't Take Off This Year:Eaterの元記事
世界中から多様な文化が集まるニューヨークでは食文化も豊か。新しい「食のトレンド」は出にくくなったと言っても、日本のラーメンのように今までなかったものが広く普及する例もまったくないわけじゃありませんし、すでにあらゆるジャンルの個性豊かなレストランはいっぱいあります。ザガットの記事のように老舗の名店が改めてみんなに注目されるようになるのも素敵なことですし、なんとなく、これはこれで良いような気がします。
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