12月8日はニューヨーカーにとって特別な日の1つです。25年前のこの日、ジョン・レノンさんは自宅アパート前で亡くなりました。享年40歳。あまりに早すぎる、そして悲しすぎる彼の死から、もう今年で25年になるのです。ニューヨーク市内の主要な地下鉄の駅入口で毎朝配っているフリーペーパー、"AM New York"は、ジョン・レノン特集。その一面には、ジョンの白黒写真に『25年経っても世界は彼を思い出す・・・』というフレーズが添えられ、更におおきく赤字で『Imagine』の文字。『Imagine』はジョンが亡くなる9年ほど前につくった曲のタイトルです。
特集は、3面に渡って組まれていました。そして、その中には『Imagine』の歌詞がジョンの写真と一緒に掲載されています。紙面の半分ほどの大きなスペースが、歌詞、です。それも30年以上まえに作られた歌詞・・・。ちょっとビックリしますね。どうして、この『Imagine』の歌詞が、今、この時代にこれだけ大きく紙面を割いて取り上げられているのでしょう。イラク問題が長引いてるからかな?うーん、記事を読んだらそんな感じじゃないですね。
記事には、生前のジョンを知る人々はもちろん、ジョンの死後、彼の音楽を通じて彼を知った人々の言葉が寄せられています。友人の1人は、自分がイスラム教信者でありながらジョンの考えに共感する部分が多いと語り、ジョンが宗教や哲学に詳しかったと指摘していました。彼の人柄や人間性に対する高い評価の声とともに、世界中の人々から愛されていたジョンレノンの姿が描かれ、そのジョンが愛したこのニューヨーク・・・、という感じの論調で記事は書かれています。そして、どーんと、この"Imagine"の歌詞が掲載されているんです。
ん、もしかすると、ニューヨークはジョンが夢見ていた理想の社会の姿に近いんじゃない?っていうことを伝えようとしてるのかもしれないって気がしてきました。"Imagine"の歌詞をよく読んでみると、確かにそんな感じじゃないですか。ニューヨークには、世界中から様々な文化背景を持つ人々が集まって、一緒に協力しあって社会を構成していますから、世界のほかの国や都市と比べたら、宗教の違いや国籍の違いが問題になることはかなり少ないと思います。もちろん、まだまだ課題はあると思いますが、この新聞の論調だけではなく、少なくても私が知っているニューヨーカー達は、誰もがこの"Imagine"の歌詞に込められた思いを共有しています。さすがに「天国も地獄も、宗教も、国もない」とまでは言い切れないものの、そういったことに強いコダワリはありません。だって、そんなこと言ってたら社会が機能しなくなっちゃいますもの・・・。
"Imagine all the people living life in peace"や、"I hope someday you'll join us, and the world will live as one. "というフレーズも、世界中から人々が共に暮らしているニューヨークでは、誰もが日々少なからず思っている気持ちなのではないかなと思いました。
この"AM New York"の編集部にも様々なバックグランドを持つ人達が一緒に働いていることでしょう。世界平和とかそういう壮大なレベルの話じゃなくって、日々の生活の中で、この"Imagine"の歌詞に書かれている思いを誰もが持っているような気がしました。それにしても、"Imagine all the people living life in peace"のフレーズは強力ですよね。たった8語、どれも簡単な単語を並べているだけなのに、心にずしんと染みてくる気がします。
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。
「人気blogランキング」