前回、「
こういう感じで全盲のランナーさんをガイドして走るのです」と題し、実際に、ニューヨーク・シティ・マラソンで全盲のランナーさんの伴走している様子の写真をお届けしたところ、コメント欄にyossinaさんから：
「チームで走るんですね、それはいい！ 東京マラソンでは、過去に見かけたのは一人のランナーに一人のガイドさんでした。これだと、一人に負担が大きいので大変だな、たとえ短い距離だとしても責任が重すぎて私には無理…」
との情報を頂きました。
いちいち説明するまでもなく、フルマラソンを走るだけでも大変で、それを障がい者さんの伴走をしながら…となると、一人だけでなんてありえない話です。そんなのできたら超人です。
2020年には、パラリンピックの開催国になろうっていうこの時期に、いくらなんでもそんなことはないだろうと思って調べたところ、なんと
東京マラソンでは伴走は一人しか認められてない?!みたい。それどころか
『東京マラソンで障がい者の伴走をするにはどうしたら良いのか？』についての案内は、
まるで障がい者の方々にご参加して欲しくないかのような、極めて不親切で具体的な方法が一切分からない状況になっています。
例えば、「
よくある質問」には以下のような酷い答え：
Q マラソンに障害者の部門はないのですか？
A 特に種目として設けてはいませんが、出場できます。障害を持つ方で単独走行が困難な場合は、伴走者を付けてください。（盲導犬の伴走は不可とします。）
Q 伴走者の申込みについて教えてください。
A 伴走者に関してのお手続きは、出場が決定した障害者ランナーに、別途ご案内いたします。
別途ご案内する意図がまったく分かりません。むしろ、逆に障がい者ランナーの伴走者のための特設案内ページをどーんと大きく設置したって良いでしょう。仮にそれが100ページあったって、それに文句を言う人は日本には一人もいないと思いますが、いかがでしょう？ なお、NYCマラソンの場合、
特設ページがあり、さらに詳しい情報について
伴走者のためのインストラクションPDFや、アキレス・インターナショナル（
Achilles International）へのリンクなども、とても分かりやすくご紹介されております。
それに今から10年ほど前の「東京マラソン2007」では、冒頭のような内容の「伴走者募集要項」が発表されていたようなのです（出典は、「伴走」ブログさんの
2006.10.21付「東京マラソンの伴走者」から、こういう時、ブログって本当に便利ですね）。
それが、
なぜか現在では、東京マラソンのための「伴走者募集要項」は発表されなくなっちゃったみたい?! つまり、健常者以上に詳しい情報や対応が必要な障がい者の方々や、そんな障がい者の方々を応援、支援しようという伴走者への対応が後退、劣化してるんです。なんで???
この他、伴走に関連する情報は、
大会規約の「参加資格･定員」内に記されている：
1. マラソン:大会当日満19歳以上（35,500人）
(1) 一般 6時間40分以内に完走できる者
※障害を持つ方で単独走行が困難な場合は､伴走者1人をつけてください。
(盲導犬の伴走は不可とします)。
のみ（他にあったら教えてください）。
これ、たぶん、アメリカだったら陸連や東京マラソン上層部のクビが飛ぶのは当たり前の大問題かも？ いや、普通に考えて、日本の恥でしょう。なぜ問題にならないのか不思議。あと、今後、世界各国から参加したいランナーが増え、こういう案内状況になっているのが世界中に明らかにされたらかなりヤバいと思います。
【アキレス・インターナショナル特集】
・
障がい者を支えマラソンを走るNPO、アキレス・インターナショナル
・
アキレス・インターナショナルのディナー・ミーティング
・
こういう感じで全盲のランナーさんをガイドして走るのです
・
東京マラソンでは伴走は一人しか認められてない?!
・
「バンバンクラブ」の伴走関連リンク集
冒頭の「伴走者募集要項」の最後の一文「大会事務局では伴走者の紹介、斡旋を行っておりません。」もひどい話ですよね。紹介くらいしてあげてもいいじゃないですか。障がいを持ちながら頑張ってマラソン出たいって方々を、なんで応援してあげないの？ そういう意味でも、ここ数回お伝えしている「アキレス」について、より多くの方々に知って頂きたいです。
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