

基本的に「短期でピンポイントの外為の予測は不可能で博打と同じ」というスタンスなのですけど、
前回のような日本の企業による海外企業買収の話題とかになるとしょっちゅう出てくるお話ですし、たぶん、皆さんのご参考にもなると思いますので、1972年~2016年4月までのドル/円の為替レートの推移と、米国の利上げによって、実際にその1年後に、円高、円安のどっちに進んだかにつきまして上のグラフにまとめてみました。

せっかくなので、一応、簡単に為替変動の仕組みについてご説明すると、一般に、リスクの低い国債買うだけでも利息を得られるという理由などから、お金(運用資金)は、金利の低い国より高い国へ集中する傾向がありまして、金利の低い国の通貨需要が増えると、当然、その国の通貨は高くなります。
なお、一般に、どこかの国が利上げするのは、過熱した景気や雇用を落ち着かせるため。つまり、その国では、情勢が安定し、経済ファンダメンタルズも良好な場合も多く、そうしたこと自体もまた、その国の通貨需要が増えて通貨が高くなる要因になります。
そのため、教科書的には、米国FRBが利上げすると、リスクの高い新興国の債券等に投資されていた資金が米国(リスクの低い米国債など)に集中し、ドル高になり、その結果、円安になる・・・などと説明されてることが多く、日本のマスコミ報道で「米利上げ
でも円高へ」というような、米国の利上げは円安要因という前提で書かれた論調もごく頻繁に見かけます。たぶん、皆さんも、思い当たる記事とか番組とかあるでしょう。
ところが実際には、
これまでの米国の利上げ後のドル/円レートは、9回中7回、円高傾向に転じておりまして、つまり、この件に関しては、
日本で多くの方々が常識と考えてることが、実は、事実と真逆なのかもしれません。
米利上げ後に円高に転じる理由はよく分かりません。でも、実際に9回中7回も同じ現象が起こったということは、ポートフォリオ理論(分散投資、卵を1つのカゴに全部入れない)の考え方からすべての資金をドルにしないけど、多くの投資家の資金がどっと引いてますますリスクが高まる新興国に、そのまま自分の資金を置いておけない投資家が円を買ってるとか、金利平価説(机上の空論とも言われてますが)による影響とか、あるいは他に何かしらの理由があるのでしょう。たぶん。
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