1月21日、ニューヨーク市観光局(
NYC & Company)が、2015年にニューヨーク市を訪れた観光客は、前年比180万人増の5830万人に達したと
発表。6年連続で前年を上回り史上最多を記録したとのことでニュースに(以下、今、検索しても殆ど変わりませんけど、1月22日にGoogleのニュース検索での「nyc & company 58.3 million 2015」の
検索結果もご参考まで)。
ここで妙に気になることが1つ。その報道、米国内では旅行系メディアによるものが大半で、一般メディアやビジネス系メディアによる報道は、ほぼ皆無。あっても
Crain'sくらい?
特に、地元メディアにとっては取り扱いやすいグッド・ニュースなはずなのに・・・。なんで?
たぶん、その理由は、デブラシオ市長やその側近の人々の実務能力の低さのせいかなと思います。残念ながら、本件に限らず様々な市政運営におきまして、デブラシオ市長は、頻繁にその実務能力の低さが指摘されているんです。
例えば、この観光データの発表も、2013年末まで市長だった前任のブルームバーグさんの頃は、各種メディアや世の中の人々が1年間を振り返るタイミングに間に合うよう、その年のうち(例えば、
2013年分は12月10日)に発表されていましたが、デブラシオ市長に変わった2014年分は、ブルームバーグさんの頃と比べると2ヶ月!?も遅れ(普通ありえませんよね)、もうすっかりみんなの興味が別のところに移った2015年2月2日にようやく
発表(細かい話ですが、
今年と
昨年の役所の公式サイト上のリリースを見比べると、昨年はあまりに遅すぎて恥ずかしかったのか公開日抜きになってたりします。セコ過ぎ)。
しかも、ブルームバーグさん時代、せっかく毎年継続的に発表していたDirect Spending(観光客が直接使ったお金)のデータが昨年、急になくなって代わりに何が根拠なのかイマイチわからないTotal Economic Impact(総経済効果)に・・・。はぁ? 何コレ? バカじゃないの?・・・ってビジネス系メディア等を中心に、たぶん、みんながつっこんだのでしょうね。今年から、その適当なデータは消えて、経済効果を知れる情報自体が消滅。
発表は遅いわ、データの質は低下するわじゃ、まともなメディアに総スカンされても仕方ありません。また、能力が低くても真摯な姿勢で改善しようと努力していればこんな扱いにはらないと思いますが、現状、そういう姿勢も乏しいのでしょう。リーダーがこの調子だと、ニューヨーク市観光局の真面目に頑張ってる現場の方々がかわいそう。
そう言えば、昨年、これはニューヨーク州政府(担当は
The Empire State Development Corp.)の方のお話ですけど、監査の結果、観光客誘致のためのキャンペーンが費用対効果に見合わない非効率なものになってると暴露され
ニュースになってました。
アメリカでは役所の仕事に無駄がないかは、日本よりも厳しくチェックされる傾向にあります。このまま年に一度の重要なデータの公表すらまともにできない状況が続けば、それ以外の仕事についても、ニューヨーク市の観光行政やニューヨーク市観光局(
NYC & Company)は本当にちゃんとやってるの?とかその活動内容は費用対効果に見合ってるの?・・・といった感じのツッコミが、今年あたりから増えるようになるかも・・・。
最後に以下、昨年11月時点のニューヨーク・タイムズ紙によるデブラシオ市長の支持率調査結果の
記事。白人層での支持率は28%と3割を切ってます。
〔ご参考〕
・
www.nycandcompany.org/press/mayor-de-blasio-and-nyc-company-announce-new-york-city-welcomed-56.4-millio:公式リリース
・
www.nycandcompany.org/press/mayor-de-blasio-and-nyc-company-announce-nyc-welcomed-record-58.3-million-v:昨年のもの
【関連過去ログ】
・2014年、NYを訪れた観光客は史上最多の5,640万人、経済効果は613億ドル(約7.4兆円)!!![2015-02-24]
・2013年、NYを訪れた観光客は史上最多の5,430万人、経済効果は590億ドル(約6兆円)!!![2013-12-13]
・2012年、NYを訪れた観光客は史上最多の5,200万人、経済効果は553億ドル(約5兆円)!!![2013-01-03]
・2011年、NYを訪れた観光客は史上最多の5,020万人を記録[2011-12-22]
・2010年、NYを訪れた観光客は史上最多の4,870万人を記録[2011-01-07]
・2009年までのニューヨーク観光についてのデータ[2010-01-07]
・ニューヨーク観光についてのデータ[2008-07-22]
まぁ、それにしても、最近、米大統領選への出馬検討の話題まで出てきた天才的なリーダーシップを披露した前市長のブルームバーグさんと、うそみたいな失態を披露し続ける現職のデブラシオさんの対比は、良くも悪くも、本当にいろいろと勉強になりますね。もちろん、リーダーが自ら現場の実務をするわけじゃありませんけど、やっぱり大きなビジョンとか、方向性や目的、ゴール等など・・・をしっかり掲げ、徹底することは極めて重要ということ、かと。
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。
「人気blogランキング」