ニューヨークの摩天楼。それは、世界的に有名な建築家さんたちの優れた作品がつまった美術館のようなもの・・・。先日、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)さんによる最新の建築技法を駆使した、外壁が波うってる高層ビル、その名も「ゲーリーによるニューヨーク」(New York by Gehry)をご紹介しましたが、ニューヨークには、結構、昔に建てられた高層ビルの中にも、アート作品のような外壁・外観を誇る魅力的なビルがいろいろあるんですよー。
例えば、この1931年に建てられた「ジェネラル・エレクトリック・ビルディング」(General Electric Building、別名、570 Lexington Ave)。建築家、John W. Crossさん(Cross & Cross)の作品。
ジェネラル・エレクトリック社は、蓄音器、電球、映写機など約1,300もの発明を行った発明王トーマス・エジソンさんが作った会社。
現在は、電化製品に限らず様々な分野でビジネスを展開し、しかもどれも業界1位か2位という大企業。
実は、NY証券取引所の「ダウ平均株価」の構成銘柄のうち、1896年5月26日の算出開始以来唯一残存している会社でもあるんです。近年では、1981~2001年までCEOを務めたジャック・ウェルチ(Jack Welch)さんが、20世紀最高の経営者と呼ばれ、シックス・シグマなどの経営手法は日本でも有名になりましたね。
そんなジェネラル・エレクトリック社が建てたこのビルは、クライスラー・ビル(Chrysler Building)やエンパイア・ステイト・ビル(Empire State Building )、ウォルドルフ・アストリア・ホテル(The Waldorf-Astoria)、ロックフェラーセンターのビル群などと同様に、当時の流行を反映したアール・デコ(Art Déco)様式。
アール・デコとは、1910年代半ばから1930年代にかけて欧米で流行、発展した幾何学図形をモチーフにした記号的表現や原色による対比表現などを特徴とする装飾様式のこと。
アール・デコが人気のピークを迎えた1920年代のアメリカは、相次ぐ新たな発明・発見により社会が急速に発展し、経済は空前の大繁栄、大量生産・大量消費の生活様式が確立した「狂騒の20年代」(Roaring Twenties)。そのキラキラと輝いた時代の大衆文化や社会情勢などのイメージも強く併せ持つ、ユニークな装飾様式とも言えるでしょう。
ちなみに、当時(大正から昭和になる頃)の日本にも取り入れられまして、「モダンなデザイン」と言えばアール・デコに・・・。そのせいか、日本人の皆さんにも、ちょっと懐かしさを感じさせるデザインのような気もします。
GEのロゴマーク時計アニメちっくなビリビリ電撃ビーム的なデザインが各所に・・・変形してロボットとかになりそう典型的なアール・デコ様式街灯ライトも独特場所は51丁目とレキシントン・アベニューの角
地下鉄6番線の51丁目駅を出てすぐ駅の入り口もこんな感じ一番上についてるアートな装飾カメラのズーム使えば、地上(パークアベニュー側)からちゃんと見えます手前は教会(Saint Bartholomew's Episcopal Church)〔ご参考〕
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http://www.lookze.com/building.php?Address=570-Lexington-Avenue:関連情報
あと、このビルを最初に建てようとしたのは、RCA社(Radio Corporation of America:アメリカ・ラジオ会社の略、1919~1986年まで存続したエレクトロニクス事業を中心とする企業)で、RCA社が建築家さん(John W. Crossさん)も雇用してたのだとか。完成前にGEが買ってるんですけど。だから、あの電撃ビームみたいなのは、電球とかの電気じゃなくて、もともとラジオの電波を表現したものだったそうです。
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