先日、ご紹介した
1967年以来、一番美しい超高層ビルと評されるハースト・タワー(The Hearst Tower)の他にも、近年、ニューヨークでは最新の建築技法を駆使した高層ビルがいくつも登場中。ここもその1つ、「ゲーリーによるニューヨーク」(New York by Gehry、建設中は8 Spruce Streetでした)。ブルックリン側から新ワールド・トレード・センターの写真撮ろうとした時に、すぐ横に並んでるように見えるあの超高層ビルですよー。
『ニューヨーク・バイ・ゲーリー』という名前の通り、現在、世界で最も有名な建築家の一人、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)さんによる設計の住宅ビルで、2010年の竣工。
ゲーリーさんは、もともとカナダ・トロント出身のポーランド系ユダヤ人。1947年に米国西海岸へ移住し、安価なリノベーションを施した自宅「ゲーリー自邸(Gehry Residence)」が注目を集め、1978年以降、有名な建築デザインをいくつも生み出してます。
その建築デザインの特徴は、女性の腰のラインのような『曲線』。
しかも、その『曲線』は2次元ではなく3次元で展開され、「曲げる」ことにとことんこだわってる印象。建物なのに建物っぽくはなく、航空機や自動車などのモデリングで見かける流線型になってるんですよー。別に飛んだり、走ったりしませんけど(笑)。
こんなのどうやって作るの?って感じですけど、力学を基礎とする工学の一分野「機械工学」の専門家が、航空・船舶・自動車等のデザインを作るときに使用する3次元機械設計ソフト「CATIA」を応用してるのだとか。ふむふむ。
難しい話はよく分かりませんけど、ゲーリーさんの建築デザインって、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)さんのアート作品っぽい気がします。
特に、ピカソさんが創始者として知られるキュビスム(Cubism、それまでの具象絵画が一つの視点に基づいて描かれていたのに対しいろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収める技法)のアート作品、例えば、ピカソさんが1907年に描き、「キュビスム革命」の発端とされる『アビニヨンの娘たち』(Les Demoiselles d'Avignon)などと、フランク・ゲーリーさんが設計した各種建築物をよーく見比べてみると、なんとなく通じるものがあるような・・・。
言葉で説明しにくいんですけど、生で実物を見ると、凝縮されたパワーと言うか、生きてる感じと言うか、創造力を刺激される不思議な感覚。
まぁ、とにかくニューヨークには、このほかにもフランク・ゲーリーさんが建築を担当した有名なビルや店内デザイン(
FacebookのNYオフィスの内装も)があり、また、ピカソさんの描いた『アビニヨンの娘たち』も、実は現在、ニューヨーク近代美術館で展示されてますので、ゲーリーさんの建築とピカソさんのアートの実物を、両方、比べてみる・・・なーんて楽しみ方とかいかがでしょう。
先端まで曲線が印象的別角度から建物というより巨大なアート作品っぽいイースト・リバー越しのブルックリン側(ダンボ地区)から見たタイムラプス写真
(2007年9月、2010年3月、2012年8月、2014年現在)
ニューヨーク・バイ・ゲーリーに続いて新ワールド・トレード・センターが完成入口前にはこんなミニ公園がチビッ子が水遊びしてました
1階に公立小学校が入ってるので少しホノボノした雰囲気も入り口見上げるとこんな感じ反対側も外壁が波うってますニューヨーク・バイ・ゲーリー(New York by Gehry)〔ご参考〕
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www.newyorkbygehry.com:公式サイト
Add: 8 Spruce Street, New York
あまりにも巨大なうえ、曲線、曲線で、外壁が波うってたりしますので、「何コレ、CGじゃないの?」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この超高層ビルはちゃんと実在しています。まぁ、ビルっていうか巨大なアート作品みたいですけど、住宅用高層ビルとしては世界でも屈指の高さなのだとか。でも、どんな人が住んでるんでしょうね? 場所は、ブルックリン・ブリッジのマンハッタン側の入口のすぐ近く(Pace Universityの隣)です。
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