

昨年のクリスマス商戦の最中に、日本生まれの高級ファッション・ブランドのコム・デ・ギャルソン(COMME des GARÇONS、略してCDG)の川久保玲さんがコンセプト・デザインを手がけるコンセプトストア、ドーバー・ストリート・マーケット(Dover Street Market)がニューヨークにオープン!!! 場所は、レキシントン街と30丁目の角。

元NY女子美術工芸大学の歴史の古い建物をリノベーションして作られたこのお店は、ビックリするほど店内スペースが狭いのが特徴。
昔の建物、しかももとは教室だったからとは言え、入口を入ると正面はいきなり壁(エレベーターの裏)で、左にショップ、右にカフェ・レストラン。どっちも激狭。まるで高校の文化祭の時とかに教室でやる出し物並みの手狭感。
ショップは1階から7階まで入ってますけど全フロアこんな感じ。
しかも、エレベーターが1つしかないので、階を移動するときはもっぱら非常用出入口みたいな扉を開けて、非常階段的な階段で・・・。7階まで階段で上がる可能性もありますので、女子はハイヒールやめといた方が無難でしょう。さらに、古い建物なので所々に邪魔な「柱」がいくつもありまして、近年、定番の広々とした空間を使った高級ブランド感漂うお店作りは、最初からムリな状況。
たぶん、普通のファッション・ブランドとかなら、この建物をお店にしようとは考えないと思います。

でも、普通じゃないのがギャルソン。「
前衛的な表現を試み、世界のファッション潮流を意識しつつも、それに抗して独自のコンセプトを貫徹させる」と評されるだけあります。
じゃぁその「柱」をお店の個性やシンボルに変えてちゃおう・・・っていう逆転の発想なのでしょう。
なんと、店内の「柱」をアート・タワーに変身させ、さらに店内全域にアート作品的な演出を施し、ファッション・ブランドの小売店というよりも、まるで本格的なコンテンポラリー・アートのギャラリーや美術館のような超アート空間に仕上げちゃったんです。
言葉で説明するよりも、写真を見てもらった方が早いと思いますので、以下、ご参考まで。こんな感じになってます。
入口付近にあるパンフ置き場もアートなオブジェに
邪魔な柱はアートタワーにしちゃおうっていう発想
各階にある柱がこんな感じになってます
この柱も
商品展示の仕方が普通じゃありません
あちこちに壁画やオブジェ
いろいろ工夫が凝らされてます
こんなところに鯉のぼり
ギャラリーや美術館に行くつもりで訪れた方が良いかも?
このオブジェのラジオは電波ひろって音出してました
日本のアニメ風な壁画も
KIAI(=気合?)
確かに気合入ってます
いきなりこんな階段があるフロアも
階段の途中にはこんな小窓が
ブランド・ショップとは思えないノリになってます
非常階段からドアを開けたら、こんな壁画がお出迎えとか〔ご参考〕
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http://newyork.doverstreetmarket.com:公式
Add: 160 Lexington Avenue New York, NY
〔関連ログ〕
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ドーバー・ストリート・マーケット・ニューヨークで見かけた品々:続編
近年、世界的に有名なファッション・ブランドや高級デパートなどが、アーティストさん(例えば、草間彌生さんとルイ・ヴィトン等)や漫画(例えば、「ジョジョの奇妙な冒険」とグッチ、ハーシュフェルドさんの風刺画とヘンリー・ベンデル等)と様々なかたちでコラボし、店内デザインにもそうしたコラボを反映させるのがトレンドの1つになってますけど、ドーバー・ストリート・マーケット・ニューヨークは、その流れを一気に加速させ新しいスタイルや文化を切り開く勢いです。特に、小売業界関係者の方々は要チェックでしょう。
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