今年も世界のIT業界では様々な出来事がありましたが、どんどんコンピューターが進化していくとどんな未来になるのか? そんな疑問、誰でも一度は考えたことがあるでしょう。日本でも、今年、人間対コンピューターの将棋の対局「
電脳戦」が定期化。先日、第三回大会の振り駒(先手・後手決め)イベントに
安部総理も登場するなど、『人工知能』の進化にますます注目が集まっているみたい。
日本の将棋と違ってチェスの世界では、すでに1997年、絶対的王者だったガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)さんが、IBMのチェス専用コンピューター「ディープ・ブルー」に敗北。
「人類最強の脳が機械に負けた」と世界的な大ニュースに・・・。テレビのドキュメンタリー番組や
映画にもなったほど。
興味深いのは、その後の展開。
人類最強でもコンピューターに勝てないのなら、チェスなんて意味ないよ・・・、もうやらない・・・ってみんなが言い出すんじゃないかと当時のチェス業界の方々は心配してたんですけど、そうならなかったんです。
むしろ逆に、じゃぁ、人間対コンピューターじゃなくて、人間とコンピューターがパートナーになって協力し、対局してみない?ってことで「アドバンス・チェス」(Advanced Chess)という新しい種類のチェスが誕生!!!今年2013年には、
初の女性世界王者対局も開催。チェス界は、さらに発展を遂げているっていうんですよー。
なお、「アドバンス・チェス」では、コンピュータ同席の対局が認められてますが、コンピューターの助言に従っても、無視してもオッケー、要するに、最終的に人間が制限時間内に決断してさすという方式。また、対局時だけでなく練習時にもコンピューターをパートナーとすることで、チェス暦の浅い若者(っていうかチビッ子)でも、学習スピードが加速。若くして凄腕チェス・プレーヤーになる方々も続出。チェス界の活性化につながっているそうです。
世界にコンピューターが普及する以前は、10代でチェスのグランド・マイスター(チェス界最高位タイトル)を獲得する人はほとんどいなくて、1958年にボビー・フィッシャー(Bobby Fischer)さんが15歳でグランド・マイスターになって大騒ぎに(こちらも
映画化されてます)。その最年少記録は、その後、1991年まで30年以上も破られることはありませんでした。
しかし、90年代以降、世の中にコンピューターが普及して10年ほどの間、チェスの最年少グランド・マイスター記録は、なんと20回以上も破られたんですって!!!
現在の最年少記録は、ウクライナ人のセルゲイ・カヤキン(Sergey Karjakin)さんが2002年に達成した12歳7ヶ月だそうです。そんなわけで、アメリカでは、このチェス界で起こった現象などが、『コンピューターと対決するんじゃなくて、"パートナー"にすれば、人類はもっと進化できる』という未来予測の論拠の1つになってたりします。うーむ。
そう言えば、日本は、アトムやドラえもんなどのフィクションで、世界に先駆けてロボットを人間の仲間とかお友達として描いた国なんて言われてますし、近年もホンダの
「アシモ」(ASIMO)とか、
ボーカロイド(Vocaloid)の初音ミクさんが
注目されるなど、このあたりの分野でも日本独特の価値観と技術力で世界をリードしてます。
なんとなく思うんですけど、人間とコンピューターやロボットが協力するという発想で、今後、また日本国内から世界を変える何か新しいものが生まれてくるかもしれませんね。
〔関連ログ(続編)〕
・
インターネット、特にソーシャル・メディアが人類の未来へ与える影響 Smarter Than You Think[2013-12-30]
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。
「人気blogランキング」