ニューヨークの本屋さんの「数学」コーナーにどーんと置いてある前から気になってた本がコレ。"Math Doesn't Suck"(数学はつまらなくない)の作者による"Hot X Algebra Exposed"(ホットなエックス:あらわになった代数)。綺麗なお姉さんが表紙。ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーにもなってるんです。
コレ、いったい何の本かと言うと、いわゆる数学の参考書なのです。小学校高学年から中学生向け。表紙のお姉さんが作者のDanica McKellarさんで、なんと彼女の本業は女優さん。
1980年代後半、子役だった頃に出演したThe Wonder Years(1988-93)から現在まで、数々の人気ドラマや映画に出演してるんですけど、大学(UCLA)も卒業してまして専攻は数学科?! 子役でドラマに出てた女優さんが、アメリカの大学で数学科ってだけでもスゴイと思いますが、Danicaさんは成績優秀で、教授やクラスメートと共同発表した論文も高い評価を得てるのだとか。
しかも、小学校低学年の頃は数学が大の苦手で嫌いだったっていうんですよ。日本と同じくアメリカでも、一般的に女子は算数や数学が苦手(なくらいの方が可愛い?)という認識がありまして、Danicaさんもそういう認識の中で育ってきたわけです。
でも、「そんな認識のせいで本当は才能のある女の子たちが自分の才能に気づいてないのでは? 自分のできることでそんな女の子たちに何かしてあげたい・・・」という想いから、2008年7月に出版したのが、"Math Doesn't Suck"(数学はつまらなくない)という最初の本。
苦手の数学を克服し、大学で数学を専攻した彼女の書いたこの本は、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーに。2009年6月には、第2弾の"Kiss my Math"(私の数学にキスして)を発売。で、これもベストセラー。
冒頭ご紹介した "Hot X Algebra Exposed"(ホットなエックス:あらわになった代数)は今年2011年6月に出た第3弾。これも当然ベストセラー。すごい。書きなれて内容がさらに良くなってるでしょうし、たぶん、彼女が出すシリーズは今後も全部ベストセラーになる気がします。また、"Math Doesn't Suck"は、今年、英国版が発売されたのだとか・・・。すごすぎる。
子役時代から人気ドラマに出演していて今もドラマに出続ける現役の女優さんで、アメリカの大学の数学科を優秀な成績で卒業し、数学の参考書を書ける能力を持つ人なんて、今のところ彼女の他に存在してません。当分、彼女の独壇場が続きそうな感じです。
3冊全部ベストセラー子役から女優、兼、売れっ子数学書作家へ
〔ご参考〕
・
http://mathdoesntsuck.com/:Math Doesn't Suck公式
・
http://kissmymath.com/:Kiss my Math公式
・
http://www.danicamckellar.com/hotx/:Hot X Algebra Exposed公式
日本でも、子役から女優さんになって活躍されてる方々はたくさんいますが、Danicaさんのような方はなかなかいないと思います。・・・っていうか、女性で数学科を専攻する人もあまり多くはないでしょう。非常に珍しいケースじゃないかなと思います。
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