新年早々の1月5日、スターバックス・コーヒーがロゴマークを今春から新しくすると発表。新ロゴでは、今のロゴの中央部にある人魚(サイレンって言います)のイラストのみとなり、周囲にあった"STARBUCKS COFFEE"の文字が無くなる予定。
今回のロゴ変更の狙いや、新ロゴに込められた思いについて、わざわざCEOのハワード・シュルツ(Howard Schultz)さんが
自ら説明するビデオを公式サイトで公開中。
それによると、「自社の伝統を尊重しつつ、世界の変化に応じてスタバも進化しよう・・」とか、「コーヒーを超えたその先(beyond coffee)に目を向けよう・・・」という思いがあるのだとか。
企業がロゴを変えるときは、新しい経営目標の設定や、品質・サービスの向上を目に見える形で表現したいなどいろんな理由がありますが、わざわざ経営者が自らロゴの変更を説明するビデオを公式サイトで公開した企業って、これまであったでしょうか?
インターネットを活用した消費者とのダイレクトなコミュニケーションを重視するスタバらしい例かも。
あるいは、企業のブランド・イメージの価値って、私たちが思っている以上に相当大きなものになってるってことなのかもしれません。
すでに20世紀後半くらいから、製品やサービスの「機能」や「品質」だけじゃなくて、それらの持つ「ブランド・イメージ」や「ブランド・プロミス」(=こういう気分になれるよーとか)が、私たちが何か買うときの重要な判断基準になってきていると言われてますけど、この傾向は私たちの心の中に無意識のうちに結構浸透してるみたいです。そして、その象徴であるロゴマークには、想像以上に強いみんなからの思いが寄せられているっぽい・・・?
実際、2010年には、衣料品小売チェーン店のギャップ(GAP)の新ロゴのデザインに対し、消費者からの拒絶反応がネット上にたくさん出て、結局、ロゴ変更を取りやめたという出来事も。
「ロゴの変更くらい別にどうでもいい」って話にならないところが、今の時代ですね。
拒絶されたロゴを作ったデザイナーさんには不名誉な結果だったと思いますが、それだけみんなから強い思いが寄せられてるってことなので、GAPにとっては何も反応が出なくてスルーされるよりも良い現象と思ったりもして。まぁ、一番良いのは「さすが!」、「いいね!」っていう反応なんでしょうけど、消費者の価値観は多様ですからね。
で、やっぱり、今回のスタバのロゴ変更の件についても、ポジティブ、ネガティブいろいろな反応が出てまして、早くもスタバのロゴ変更ネタで遊ぶ人まで登場中。例えば、
Felipe Torresさんの下のイラスト。ロゴの遍歴を良く見るとどんどん中央の人魚にズームアップしてるから、この先どんどんアップしていくとこうなるよっていうジョーク(笑)。よく見てますねー。他にもスタバのロゴ変更の話題は、ニュースでも結構取り上げられたりしてまして、興味深い現象です。
Felipe TorresさんのイラストNYには中央の人魚が自由の女神様になってるスタバのロゴっぽいTシャツとかあります
いくらロゴマークを変えても、製品やサービスそのものが同じ(=あるいは何か改善される)なら、消費者にとって悪いことは何もないはずなんですけど、そうならないところが今の時代を象徴する出来事。ニュースにまでなるんですね。あと、このトレンドは日本には良い追い風になると思います。これまで作り上げてきた「Japan」や「Japanese」のブランド・イメージ、ブランド・プロミスっはとても良いものですし、うまく活用できないか考えてみると新しいチャンスが見つかるかもしれません。ユニクロさんとか任天堂さんは、そのあたりとてもお上手です。
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