『プライド・パレード』って言うと、ゲイやレズビアンの皆さんが1年に1度行う盛大なパレード。同性愛者としての自尊心(=プライド)を表明するって意味から「プライド」という言葉が使われてるんですけど、ニューヨークには、まったく別の種類の『プライド・パレード』もあるって、皆さんご存知ですか?
大好きな野菜やフルーツ、あるいは、食べることのない牛、ブタ、鶏(ひよこも)などに仮装して参加する、べジー・プライド・パレード(Veggie Pride parade)。
主に菜食主義者の皆さんによるパレードで、彼ららしい知的なジョークやユーモアいっぱいで面白いんですよ。
まず、集合場所はかつて精肉市場だったマンハッタン内のミードパッキング地区(笑)。ほんの数年前まで、まだお肉の問屋さんとかあったので、その店頭がスタート地点になったんでしょうね。パレードっていうか、最初は抗議集会だったのかも?
今でもそういう側面があるみたいで、なにやら、牛を大量に育てる方法が資源を大量に消費するとかで、環境問題関連の活動家の方々も参加してました。「ビーフ食べると環境に良くないから、チキンにしましょー」とか(笑)。いやいや、べジーパレードなんだから、チキンもダメなんだって!
そんな感じで沢山の方々が参加してたんですけど、非常に興味深いことに気づきました。
このパレード、参加者の方々は全体的にかなりの親日派!なんですよー。日本人らしいと分かると笑顔で応じてくれます。まぁ、ニューヨークではいつもだいたいそうなんですけど、この場では「えっ、なんで?」って思うほどの好意なのです。
で、いろいろ聞いてみると、お豆腐、お味噌汁、豆乳、海草類など、ベジタリアンの方々は日本食がどれほど素晴らしいかをよーく知ってるんですよ。そんな食文化を育んできた日本人のことも大半の方々が好意的に思ってまして、「私、ビーガン(徹底的な菜食主義者)なんです」って言うのは、「私、日本食大好きです」って意味だと思ってよいくらいなんですって。へー、でも、ベジタリアンで日本食嫌いって人は確かにいなさそうですし、きっとそういう傾向ってあるんでしょうね。
映画マトリックスとかけて、『肉食問題の真実を知りたければ・・・』というビラを配る女性手作りの『お豆腐』のプラカード!ナスとトマト牛キャップとSOSフラッグの女の子ブドウとレモンアメリカ人が作ったものですが、日本人がいつの間にかほとんど神様扱いに(笑)マスコット・キャラクターのお豆ちゃん女の子はイチゴのコスプレ多めでしたこの子もイチゴちゃん
最後はUnion Sqで集合
〔ご参考〕
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Veggie Pride Parade, NYC, 2009:公式サイト
マーケティング理論的に考えると、(1)実売に直結する消費者にダイレクトにリーチできる最良のターゲット・マーケティングの舞台になっているうえに、(2)例えばお豆腐のプラカードを自ら作ってパレードに参加してその良さを広めるっていう口コミ普及のキーパーソン(トレンド理論のイノベーターやアーリーアダプター)が軍団でここに集まっていて、(3)今後このパレードが発展すればNYローカルニュースはもちろん、全米、全世界でのニュースにも取り上げられる可能性があるわけですから、日本食メーカーさんはプロモーションとかスポンサーになるとか、とにかく何もしないってのはもったいなさすぎる気がするんですけど、どうなのでしょう?たぶん、他のどこでPRかけるよりも費用対効果は大きいでしょうし、菜食主義者集団の食習慣はすでに固定化してるのでPR効果もワンタイムではなく『持続性』が相当期待できそうな気がします・・・。で、来年、見にいったら米国ハウス食品の「お豆腐」の着ぐるみとかいたりして(笑)。
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