コロンバス・サークルにあるタイムワーナー・センターの地下には、ホールフーズっていう大きなスーパーが入ってるんですよ。マンハッタンには住宅街以外にはスーパーが本当に少ないんですけど、敢えて高級ブランドショップなどが入る大型商業施設の地下にスーパー入れるって面白いですよね。
で、こないだそこで買い物いっぱいして、天気も良いし、
ぺディ・キャブ(Pedicab)使ってみよっか?って話になったんです。ぺディ・キャブとは自転車タクシーのこと。ちょうどコロンバス・サークルがセントラルパークの入口ってことで、乗り場になってるんですね。
客引きのなんかちょっと怪しい雰囲気のお兄さんに「30ブロックほど北の86丁目までいくら?」って聞いたら、「25ドル+チップ」とのこと。
観光客じゃないし、地下鉄ならメトロカードのパスがあるからタダだから、「10ドルにならない?」ってダメモトで半額以下のお値段で聞いてみたら、「そりゃぁムリムリ、ないよぉ」って他の待機してる運転手の方々と笑い出すくらいの反応だったんですけど、その中の1人が「ボク、それでもいいよっ」ってニコニコ笑って引き受けてくれたんです。
実際に乗った自転車タクシーは、スイスイ進むっていうより、運転手さんが必死に一生懸命ペダルを踏んでやっと進むという感じ。ギアとか使わないんですね。
しかも、今回のルートは微妙な登り坂で、運転手さんかなり大変そう。はぁっはぁっと肩で息する様子が背中越しに感じられます。
セントラルパーク沿いの道には名所も多く、春のお花や緑の香りも漂ってきて、乗り心地は非常に快適で気持ちいいんですけど、これが10ドルじゃ申し訳ないっていうか、笑われるのも当然って思えてきまして、結局、チップ込みで25ドルあげることに。
最後に、「どうして引き受けてくれたの?」って運転手さんに聞いたら、
「君たち日本人でしょ。ボク、チベットから来たんだ。日本が大好き。日本人良い人ばかりだよ。外見もほら似てるし、なんか自分の親戚や家族みたいな気がするんだよね・・・」だって。思いがけない場所で、思いがけない方から聞く『世界の中の日本のイメージ』。嬉しい気持ちと、日本人としての責任感とか、アイデンティティのようなものも改めて感じました。
ここにもバイクレーンできてますセントラルパーク沿いの通り古い建物が多いですダコタハウス 72丁目アメリカ自然史博物館 80丁目くらい
ちょっとした日常の出来事の中からも、『世界の中の日本のイメージ』とか、日本人としてのアイデンティティのようなものを感じられる瞬間って、ニューヨークでは特に多いんじゃないかと思います。こういう感覚は言葉で説明するの難しいけど、自分が何者であるかを知るためにも本当に本当に良い経験。なんかこう、ちょっと気が引き締まる思いがしました。運転手のお兄さん、ありがとうございます。
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