グーテン。サンデーモーニング。窓の外を見たまえ。大嫌いな夏の気配がそこまで来ている。僕は毎年死ぬ思いをして夏を過ごしている。不平等な世界の中、季節だけが皆に平等に訪れる。太陽だけが平等に降り注ぐ。皮肉な事であると思う。カミュ/異邦人の主人公の気持ちが痛い程分かる。神は居るのだけれど、不在なのだと思う。エアコンを20度に設定しギンギンに冷やしたコーシーを飲みルーリードを聞いている。彼はヘイベイビーワイルドサイドを歩きなよと歌っている。どぅどぅどぅっと歌っている。ウッドベースとセンスの無いサックスとルーリードの投げやりでヤケッパチでどこまでも優しい歌声が心地よい。飼い猫はフローリングの上で死んだ様に寝ている。風呂に浸かり宮崎あおいの事、宇宙の事、壊れてしまったエフェクターの事、夭折の天才達の事、若かりし頃の加賀まり子の事、今晩のステージの事等にに思いを馳せている。tacica、people in the boxとのツアーも今日で終わりである。お昼から尋常では無い気合いと柔らかな興奮に包まれている。今晩はきっと全バンド、魔法にかかった様なステージをするに違いない。僕らも負けじと目に物を見せる様なライブを約束したいと思う。

私事だが髪を切りすぎて淡い後悔をしているので指をさし笑ってくれればと思っている。それでは今晩代官山UNITにて会おう。

ケンゴ