8/25の深夜 愛猫ミソは咳を三回した後心臓が止まり息を引き取った 俺は福岡から東京に着き一杯引っ掛けて家に帰ろうかなと考えている所でそれを知った 幸運な事に家族が最後を看取ってくれた 一人で息を引き取る可能性の方が全然高かったから不幸中の幸いだと思った ミソはお気に入りの椅子にいつも通りの格好で横たわっていた 死んでる風になんて全然見えなかった 何度ミソ、ミソと呼んでも反応は無く 触ると冷たくて固くて でも毛だけはいつも通りフワフワなのが とても辛かった やり切れないと思った 俺のミソが死んだ と思うと泣く事を我慢できなかった ミソを撫でながらミソの名前を呼びながらミソとの思い出を語りかけながら夜を明かした 死ぬ程飲んだけど全然酔っぱらえなかった 翌朝葬儀の手配をして 家を掃除した ミソの抜けた毛を掃除するのも最後と思うと涙が溢れた やり切れないと思った ミソが大好きだったベッドとおもちゃと 祐介から貰ったクッションとおやつを ミソが大好きだったレッドキャベツと書かれた段ボールに入れて その上にミソを寝かした そうしたらミソの棺桶みたいになって ミソが死んだ事がとてもリアルに思えて とても悲しかった 少しの友人と仲間が会いに来てくれた 皆ミソの為に泣いてくれた 花も手向けてくれた 本当にありがたかった 昼が過ぎ葬儀の業者が到着した 車に火葬出来るシステムを組んでるタイプの業者だったので 家の近くのパーキングでミソを見送った 花に囲まれて 白い布に横たわるミソは死んでても尚とても可愛かった 心の中で何回もミソに感謝をした 立ってるのが辛かった 業者の汗が臭かった クソ蝉が鳴いていてクソ暑いクソ晴れた昼下がりミソは骨になった ミソが骨になって一気に家が静かになった ミソの存在がなくなった事でこんなにも家の雰囲気が変わるのかと思うと またやり切れなかった 何事もなかったようにミソが居ない世界がまわる事がやり切れないと思った 生きているという事はなんてどうしようもない事なんだと思った ミソと俺の五年と半年の生活が終わった

出発する朝も やり切れない夜も 達成感を持った日も 挫折をした日も ミソはそんな事関係なく やりたい様にやりながら 生きたい様に生きながら俺と一緒に居てくれた 俺はそれがたまらなく嬉しかった 家を出るときは見送ってくれたし 家に帰れば玄関まで迎えに来てくれた ミソの行動 仕草の全てを愛おしく思う

俺は別に動物愛護の精神は持ってないが こう思う 俺とミソは家族だ 俺とミソは仲間だと 俺はミソから沢山の大切な事を教わった 生きたい様に生きる事とその難しさ チャレンジする事の大切さ 誰かと生きるという事がどれだけ大変でどれだけ安らぎと喜びに満ちているかという事を教わった ありがとうミソ 一緒にいてくれてありがとうミソ 俺のミソ とてもとても小さくてとてもとても太っている俺のミソ 手触りが最高にフワフワな俺のミソ マヌケで気高いオカマな俺のミソ 最高にキュートで最高にジェントルな俺のミソ ありがとうミソ

どうかミソの魂が暖かくて良い匂いのする寝心地の良い場所にありますように

ケンゴ