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朝食を軽くとり、同行の友人と王宮に戻ったのが10時頃。 この頃には王宮周辺は、火葬見学の人たちで身動きできないほどに。 当然、一帯は車両通行止めです。 今回、とてもラッキーだったのは、友人の知り合いが実はウブド王家の家系の方で、その名もチョコルダさん! 王家ゆかりのカーストにしか与えられない位の高い名字です。 そのチョコルダさんが王家の関係者と招待客のみで一般の見学者は立入り禁止の宮殿内に我々を入れてくれたのでした。 ということで、これから出てくる画像は一般の方は見られなかったものです。 宮殿内に入るとやはり混雑しています。 すでに遺体が安置されたナーガバンダの前では僧侶が祈り、そのまわりを3人の男女が聖水をまき、ほうきで浄めながらぐるぐると回っています。 しかし、おばちゃんがはおっているピンク&レッドのジャージ、かなりギャルっぽいものですがいいんですかね。服装は。 さらに奥に入っていくと。 いました、今回の葬儀の超VIPのご招待客の面々。 それにしても地位のある人間、裕福な人たちって特有のオーラを放っていますね。 初めてです。 インドネシアの人で「本物」のロレックスをしているのを見たのは。 おそらくバリ以外の島からも参列しているのでしょう。 中には極楽鳥(?)の羽飾りを頭につけている人もいます。 中央のふたりは、何やら密談でしょうか。 そんな感じでうろうろしていると、どうやら出棺の前の腹ごなしのよう。 みんなで食事をいただくことに。 ナシチャンプル、みかん、アクアの仕出し料理を順番に並んでいただき、宮殿内の空いている場所に腰掛けていただきます。 実はこれから8時間ちかく水を飲むこともできなくなるとは思いもよらず。 かなり奥深い宮殿内を観察しつつ、のんびりと味わいます。 正午を過ぎた頃。 食事を終えた関係者の動きが急にあわただしくなってきました。 こちらもあわててナーガバンダの前へと戻ります。 すでに宮殿内には出棺のための有志の村人がぎっしり。 みな、今回の葬儀のためのパープル色のユニフォームを身につけています。 まずは、ナーガバンダが外に運び出されます。 そのままでは王宮の外に出せないので、上半身と尻尾がふたつに分けられます。 このナーガバンダの上半身を外に出すのがひと苦労。 ナーガバンダと祭壇があるのは王宮の中央部。 レゴンダンスなどが行われる割れ門の奥ですね。ナーガがあまりにも大きいのでこの割れ門を抜けることができないのです。 角度を変えて門を抜けようとするたびにメリメリと不吉な音が。 この辺、やっぱりあんまり考えていないのですね。 なんとかナーガバンダが外に出たところで、遺体を運び出します。 まず、最初に運ぶ出されたのが王家出身で昨年、90歳ほど(生年月日が不祥)で亡くなったデサ・ラカおばあちゃんの遺骨。 彼女はすでに一度、荼毘にふされています。 その後に同じくウブド王家出身で、警察署長を務めていたチョコルダ・グデ・ラカ氏の遺体が運び出されます。 そして、最後にウブド王家最長老だったスヤサ氏の立派な棺が ゆっくりと運びだされます。 スヤサ氏の最後の旅立ちを前に、ほんの少しでも棺を運びたい、触れたいと多くの手が棺に向かって差し出されます。 かつげなかった者は、それでも棺にかかる白い布の端をぎゅっとつかんでいる。 ウブドの村の人々に抱かれたまま、 スヤサ氏の棺は26.5mのバデの高みと運ばれていきます。
by naoko_terada
| 2008-08-13 02:02
| トラベル
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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