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![]() ![]() 路地のある街が好きです。 路地文化は、その街の歴史。人の暮らしてきた証だと思っているから。 この前の台湾も、実はそんな路地のある街へ。 場所は台中に位置する鹿港(ルーグァン)。台北から特急に乗って約3時間。 台中駅からもう少し先の彰化(ヂャンホア)で下車、そこからローカルバスで さらに40分ほど。 ここは清の時代に貿易で栄えた港街で、 ノスタルジックな家屋、多数の廟(寺)、そして路地があることで知られています。 といっても日本人観光客はまずいない。 多くの観光客は地元の人たち。 鹿港の路地でまず有名なのが「九曲巷(ジョウチュイシャン)」。 九つの曲り角を持った路地裏で、周辺は市場、民家が集まり、日本の下町のよう。 夕暮れどき、ひとり歩いていると、家の中からもれてくる明かりとテレビの音、 そして晩ごはんの匂い。 子供の頃を思い出す、温かくて懐かしい風景。 この日は、4年前に他界した母の命日。 路地をさまよった後、鹿港のもうひとつの名所、天后宮へ。 こちらは美しい海の女神を祀った名刹。 誰もいない境内で線香をたき、遠く日本の家族へ想いをはせる。 入口に奉納された提灯(ちょうちん)が、風に揺れる。 東京ではあらゆる場所で、再開発が行われ、 数多くのスタイリッシュな大型ビルが生まれています。 都市は常に進化するものだから、こういったビルができるのはしょうがないこと。 でも、何か大事なものを壊してしまっている気がする。 一度、壊したらもう二度と戻すことのできないもの。 空間だけのことではない、都市の温かい部分。 路地もまた、そのひとつ。 本日、読売新聞の日曜版でわたしの選んだ「路地散策にお薦めの街」が掲載されます。 場所は5ケ所。 もちろんこの鹿港もその中のひとつ。 みなさんの好きな路地のある街は、どこですか。
by naoko_terada
| 2005-09-25 00:10
| トラベル
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Comments(8)
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あの~。「旅行博」22日にいらっしゃいませんでしたか?
Hawaiiのフラのパフォーマンスを、キラキラとした目で すっごく優しく見守っていらっしゃったので・・・。 「寺田さんだ!」と思ったのですが、ご迷惑かと思って 声がかけられませんでした。今、思うと、勇気を出して 一緒にお写真撮っていただきたかった・・・(悔)。 お疲れとのことでしたが、私がお見かけした時には 凛としたまなざしで、とても素敵な空気が漂っていました。 ひ、人違いだったらすみませんっ。
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ちぃサマ
おりましたよー。 夕方ですよね。ハワイのパーティ直前の。 わたし、帽子をかぶっていたのですが。 お声をかけてくだされば良かったのに。残念です。 でも、ということはちぃさんも業界の方、というコトですね。 フラはいいですねぇ。 ハワイでクムフラの踊りを間近で見た時は鳥肌がたちました。 「神が宿ってる!」と感激したものです。 今度どこかでお会いしたらぜひ、お声かけてくださいね!
フィレンツェの路地を彷徨ったことがありますが、東南アジアとはまた違った趣ですね。
路地のある街、私も好きです。
“生活”とか良い意味での“人間臭さ”を感じる路地を歩き回っていると、時間を忘れます。 台湾で、寺田さんは特別な時を過ごされたのですね。 映画を観ているような気分になってしまいました。 P.S. 路地つながりで1件、トラックバックさせていただきます。
sunnyrサマ
わぁ、わたしはまだ行ったことがありません。 ヨーロッパの路地、街は本当に雰囲気がありますよね。 中世に戻ったような場所も多い。 そして、編み物ですか。 それもまたなんともゆったりとした過ごし方ですねー。
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ![]() ![]() ツイッター ブログパーツ
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