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![]() そこはガイドブックなど旅関係の仕事が多く、今の私の原点でもあります。 当時、そこが某ホテルの小冊子の作成を請け負っていました。 ある日、最新版のための取材をまかされることに。 小冊子でホテルのシェフに教わるクッキングレシピのページがあり、その撮影と取材を担当することになったのです。 取材当日、カメラマンと一緒に浦安へ。 迎えてくれたのがホテルの広報担当の女性でした。 キビキビと働く彼女にまだ20代後半のわたしは気おくれするばかり。 撮影のためゲストのいないアイドリングタイムのレストランへ。 シェフにお話しを聞き料理の撮影を行い、とすべて順調。 取材中盤、メモをしっかり書き写すためわたしはレストランのテーブル席に座り、メモを取り始めました。 すると、広報の女性がこう言いました。 「そのテーブルはゲストをお迎えするためにスタッフが一生懸命きれいにセッティングしたものですよ。あなたが使うものではありません」 正確にどう言われたのかは覚えていませんがニュアンスとしてはこんな感じ。 それを聞いてとっさに立ち上がり、「すみません!!」とわたし。 心の中では、「なにこわーーーい。。」 でも今なら痛いほどわかります。 完璧に美しく整えられたテーブルや客室、ベッドにはどれほどの目に見えない裏方のスタッフのみなさんの労力がかかっているか。 当時はホスピタリティなどという言葉も知らないわたしでしたが、それからはホテルでの取材時には撮影で必要でないかぎり何も触らない動かさないということを心がけるようになりました。ベッドに寝たり、ソファに座るなんて言語道断!笑 つけたライトは消す、開けたカーテンはきちんと閉めるなど退出時にもとのままに戻すことを常にこころがけます。きちんとしたホテルは撮影後は再度、清掃をいれますがそれは別問題。取材対象のホテルへの、さらにはスタッフへの敬意をあらわしたいとの思いからです。 あのときわたしを叱ってくださった女性広報の方。お名前も忘れてしまいましたが、最高の広報ウーマンだったこと今ならよくわかります。 最近、ホテルの取材にうかがうと広報担当者はわたしよりも年下ということがほとんど。 そんな彼ら彼女たちに、「今回の取材撮影はよかった!」、そう思ってもらえるようにいたいと思っています。 それもすべてはアナタから。 あのとき叱ってくれたことに、心から感謝しています。 ※写真はロンドンのサヴォイホテル。麗しきモネスイートです。この最高に美しい部屋もベッドメイキングのスタッフたちによって整えられているわけですね。
by naoko_terada
| 2018-06-06 08:00
| ホテル&リゾート
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ![]() ![]() ツイッター ブログパーツ
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