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最高の広報ウーマンがおしえてくれたこと
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今からもう30年前のこと。フリーランスになる前に少しだけ小さな編集プロダクションにいました。
そこはガイドブックなど旅関係の仕事が多く、今の私の原点でもあります。

当時、そこが某ホテルの小冊子の作成を請け負っていました。
ある日、最新版のための取材をまかされることに。
小冊子でホテルのシェフに教わるクッキングレシピのページがあり、その撮影と取材を担当することになったのです。

取材当日、カメラマンと一緒に浦安へ。
迎えてくれたのがホテルの広報担当の女性でした。
キビキビと働く彼女にまだ20代後半のわたしは気おくれするばかり。

撮影のためゲストのいないアイドリングタイムのレストランへ。
シェフにお話しを聞き料理の撮影を行い、とすべて順調。
取材中盤、メモをしっかり書き写すためわたしはレストランのテーブル席に座り、メモを取り始めました。

すると、広報の女性がこう言いました。

「そのテーブルはゲストをお迎えするためにスタッフが一生懸命きれいにセッティングしたものですよ。あなたが使うものではありません」

正確にどう言われたのかは覚えていませんがニュアンスとしてはこんな感じ。
それを聞いてとっさに立ち上がり、「すみません!!」とわたし。
心の中では、「なにこわーーーい。。」

でも今なら痛いほどわかります。
完璧に美しく整えられたテーブルや客室、ベッドにはどれほどの目に見えない裏方のスタッフのみなさんの労力がかかっているか。

当時はホスピタリティなどという言葉も知らないわたしでしたが、それからはホテルでの取材時には撮影で必要でないかぎり何も触らない動かさないということを心がけるようになりました。ベッドに寝たり、ソファに座るなんて言語道断!笑
つけたライトは消す、開けたカーテンはきちんと閉めるなど退出時にもとのままに戻すことを常にこころがけます。きちんとしたホテルは撮影後は再度、清掃をいれますがそれは別問題。取材対象のホテルへの、さらにはスタッフへの敬意をあらわしたいとの思いからです。

あのときわたしを叱ってくださった女性広報の方。お名前も忘れてしまいましたが、最高の広報ウーマンだったこと今ならよくわかります。
最近、ホテルの取材にうかがうと広報担当者はわたしよりも年下ということがほとんど。
そんな彼ら彼女たちに、「今回の取材撮影はよかった!」、そう思ってもらえるようにいたいと思っています。

それもすべてはアナタから。

あのとき叱ってくれたことに、心から感謝しています。

※写真はロンドンのサヴォイホテル。麗しきモネスイートです。この最高に美しい部屋もベッドメイキングのスタッフたちによって整えられているわけですね。



by naoko_terada | 2018-06-06 08:00 | ホテル&リゾート | Trackback | Comments(0)
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