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福島から世界へ!ジミー・チュウ氏「福島コレクション」を追いかけて②
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東京都内でインタビューのため、ジミー・チュウ氏にお会いしたのが4月16日。
第一印象は、「へえ、こんな方だったのね(笑)」。
ジェントルな笑顔と礼節ある対応はとても魅力的で、いっぺんにそのお人柄のファンに。
インタビューを通じて感じたのが、日本の「ものづくり」への共感。そして、次世代の若手を育てることの重要さを強調されたことでした。

今回、発表された「福島コレクション」は、チュウ氏のデザイン&製作によるオリジナル限定6足。400年の伝統を持つ「原山織物工場」産の会津木綿、世界で最も薄い絹繊維として高い評価を受ける「齋栄織物株式会社」の「川俣シルク」、卓越した伝統技術を継承する「白木屋漆器店」による会津漆器を素材として使用。ジミー・チュウらしいエレガントなスタイルの靴に仕上がっていました。

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そして、18日には福島駅前、ホテル辰巳屋のバンケットで、「福島復興イベント講演会」としてチュウ氏がご登壇。
テーマは「福島から世界へ "Creativity through Skills"」。

ご自分の生い立ちから、職人としての矜持、世界へとビジネスを広げるためのノウハウなどを惜しみなく披露。現在はロンドンを拠点にオートクチュールの靴作りをする一方でクラフトマンシップ教育を後進に伝えるべく世界中を旅し続けているということ。
講演の中で、こう語ってくれました。

「私が伝えたいのは若いデザイナーたちに既存の概念を払拭して斬新なスタイル、商品を作ってもらいたいということです。
今回の福島コレクションを見てシルクやもめんを着物ではなく靴にしてもいいんだということに気づいてもらいたい。そういう発想を持ってほしいのです。
新しい発見が付加価値を生みます。
また、今回ジミー・チュウが使った素材ということで国際的にも注目されますから世界に飛び出すきっかけにもなるはずです。ぜひ、それを実現して福島から新しい伝統産業、匠の技を発信してもらいたいと願います」

「福島コレクション」は販売はされません。
6足の靴はこの日、ジミー・チュウ氏から福島県へ寄贈されました。
最初、なぜ販売しないのかと私は思いました。その問いかけに、チュウ氏は、
「販売して寄付することよりも、このコレクションから新しい発想を得て、福島のデザイナーたちが伝統工芸を活かした今までにない斬新な商品を作ってもらいたいのです。未来への可能性に期待を託します」

それが答えでした。

この日、会場には福島を拠点に活動する若いデザイナー、クリエイター、伝統工芸技術を継承する企業の方々もいらっしゃっていました。
靴職人として、またグローバルに活躍するジミー・チュウ氏の真摯なメッセージに、おおいに刺激を受けたことと思います。

熱気ある会場を見渡しながら、第二の「福島コレクション」が生まれることを期待し、そしてあらためて福島の一日でも早い復興を願わずにはいられませんでした。
日常から風化してしまう震災復興について、新しい可能性を気づかせてくれたジミー・チュウ氏。
日本、そして福島への想い、心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。
by naoko_terada | 2014-07-09 22:11 | 福島 | Trackback | Comments(0)
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