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![]() 翌朝、台中は快晴。 こういう地方都市の朝もなかなかいいものです。 ![]() ホテルを出て、我々が向かったのが南屯老街。 ![]() こんな懐かしい店構えの店舗が並ぶ、下町風情のエリアです。 ![]() その通りで、店を構えるのが林金生香百年餅店。 名前のとおり、百年の歴史を誇る老舗菓子店です。 ![]() 店内はこんな感じ。 このレンガは創業当時からのもの。 そのほかの部分は日本統治時代、壊されてしまったようです。 ![]() 店内には店の歴史を伝える写真の数々。下の写真の男性が、現在の5代目・林玉凡さんの若かりし頃。代々、この店は林さんファミリーが忠実にレシピを守って受け継いできたもの。日本各地に点在する家族経営の銘菓店と同じきずなを感じます。 林金生香のくわしい説明は、こちらをどうぞ。 ![]() ![]() この店の名物は、「状元糕」。もともと結婚する娘ムコの出世を願って贈られたものといわれています。味は緑豆、胡麻、アーモンド、そしてモロヘイヤ。味は見た通り、落雁のよう。口の中でさっくりほろりと崩れ、素朴な甘さが広がります。 日本人のわたしにもどこか、懐かしい味わいです。 ![]() この日は私たちもこの、銘菓作りをすることに。 用意されたのは、材料と長年使われてきた木枠。 ![]() 作り方は、いたってシンプル。適当にまるめた素材を片に入れて固めるだけ。でも、これがやってみると塩梅がわからずむずかしい。あまりギュッと固めると出しにくいし、柔らかいときれいに型が浮き彫りにならない。 ![]() 結果、できたのがこれ。いかがでしょうか。 ん~、まあまあかなぁ。 よしとしましょう。 ![]() お菓子作り。 普通なら、作ったものをここで試食となりますが、この日は違いました。 林さんの娘さんたちと一緒に店から歩いて数分の萬和宮へ。 地元で親しまれているお寺です。 ![]() ![]() この日は偶然にも大祭の日。 境内には大勢の方がおまいりに。 お寺ではおまいり客たちに紅白のお餅の入った甘い汁粉を配っています。私たちもちゃっかりお相伴に。 ![]() ![]() そして、本堂で私たちも地元の人たちをまねて作ったばかりのお菓子を奉納。 実はこの旅のほんの少し前、知り合いが亡くなりました。 とても残念な最後だったこともあり、彼の死はわたしたち友人・知人たちにとても大きな悲しみを与えました。そんなこともあり、彼のことを思いながら静かに祈りをささげます。 「ありがとう」と。 彼の葬儀に出ることができなかった心残りが、少し軽くなったように感じます。 ![]() ![]() ![]() お店に戻り、最後に林さん親子を記念撮影。 現在は娘さんご夫婦など6代目が中心となってがんばっています。 本店のすぐ近くには新しいショップもあり、そちらはおしゃれな雰囲気で、若い人にも人気です。 林さん、さっきまで笑顔だったのに緊張してしまってます。職人気質の真面目なお人柄が微笑ましい。娘さんも愛らしく。これからも仲良く、長く。伝統の味を守り、伝えていってほしいと願います。 台中のほっこり、優しい銘菓。 ぜひ、訪れて味わってみてください。
by naoko_terada
| 2013-06-12 07:47
| トラベル
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ![]() ![]() ツイッター ブログパーツ
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