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観光審議会委員をさせていただいている山口県。 いつも訪れる際、何かとお世話になるのがライフという会社を運営する藤井ファミリー。 このすばらしい商品がきっかけで家族ぐるみでおつきあいさせていただいています。 先日の地中海クルーズのお伴をしてもらった、コレも藤井さんからのご紹介。 その藤井さんの奥さまからお電話をいただいたのは、ひと月ほど前でしょうか。 「湯田温泉に新しくできる旅館の試泊をしませんか」 というお誘い。 なんでも、運営するご一家とは昔からのお知り合いとのこと。 せっかくのステキなお誘い、喜んでお受けすることにしました。 宿の名前は、古稀庵(こきあん) 山口出身で、激動の幕末を生きた宰相、 山縣有朋が70歳のときにかまえた別荘が名前の由来。 ロケーションは、湯田温泉。 白いキツネによって見つけられたという伝説を持つ、美肌の湯。 アルカリ性単純温泉は、サラリと優しいお湯です。 湯田温泉のメインストリートに面したエントランスを抜けて、中へ。 初々しい接客のスタッフたちに導かれて入ると、みやびさとスタイリッシュさを兼ね備えた空間が。この洗練されたスタイルは今までの湯田温泉にはなかったもの。 わぁ、と見まわしてしまう(笑)。 今回は開業前の試泊、ということで、 なんと、この日の宿泊はわたしだけとのこと! ジャパネスクな色調のカーペットにモダンな萩焼がアクセント。 風情のある回廊を抜けて通されたのは、 宿の中で最もゆったりと贅沢なスペースを持つ離れ「瑠璃茉莉(るりまつり)」。 古稀庵には客室が全16室。 瑠璃茉莉は1階に位置し、ベッドスペースに琉球畳の和室スペースを兼ね備えた和洋室。さらに、緑の庭園とテラス、そしてプライベートプールがあります。 デザインは、山口県を代表するもうひとつの和モダンな宿、音信(おとずれ)と同じ、石井建築事務所。 全国のモダンリゾート、ホテルなどを手がける知る人ぞ知る、実力派アーキテクト集団。 どうりで、ちょっとテイストが似ている感じ。 客室のお風呂は、すべて源泉かけ流し。 瑠璃茉莉にはダブルシンクの洗面スペース、シャワーブースの先に露天風呂。 さらにその奥にはプールと庭園。 なんとも贅沢です。 木桶も、畳も、あたりまえですがどれもピッカピカに新しく、 とても気持ちがいい。 夕食まで、少し時間があったので、大浴場へ。 内湯と露天も、もちろん源泉かけ流し。 生まれたてのフレッシュなお湯を誰もいない湯船で独占状態、の~んびりリラックス。 湯上り処や、空間に配された可憐な花や和のテイストの演出がなごみます。 今回は体験しませんでしたが、隣には本格的なスパ施設もあります。 温泉からあがった後のお楽しみは、もちろん夕食。 ステキなコンシェルジュ、スタッフの案内で、ダイニングへまいります。 「桜の香」と名付けられたレストランは、パブリックスペースのアイコン的存在、リゾート気分の庭園を望む、エレガントな空間。 窓の外の緑、随所に配された意匠が印象的です。 料理長が腕をふるうメニューはオリジナリティあるひねりを効かせた日本料理。 ゆずの皮に明太子を詰めたスイカに見立てた前菜、山口県産のアワビ、カレイなどのお刺身は、季節感あふれ、目でも楽しめる涼やかさです。 今回、ご招待くださった藤井ご夫妻を囲んでの、楽しい夕餉。 フカヒレの碗、洋食のテイストを加えた煮物と続き、 これも山口名産の車エビの焼き物に、牛肉ならではの風味が広がる秋吉台高原牛のヒレステーキ。 さらに、湯田温泉をはじめ、山口のレジャー産業をけん引されてきた代表取締役が秘蔵の銘酒「金冠黒松」を藤井ご夫妻のためにど~んとご提供。 わたしもそのお相伴にあずかります。 これは純米酒部門全国一位をとった貴重なお酒。 スッとのどをとおる淡麗さと、芳醇さを持った実にきれいな日本酒です。 会話が弾み、美味しい食事を楽しんでいるうちに、庭園にも夜の表情。 まるでバリ島のどこかのリゾートにいるような気分になります。 最後のデザートまで全部で12品。 どれも、細やかな仕事がされた料理長の腕と情熱を感じさせるメニューばかり。 食のクオリティの高さは新しい宿としては驚くほど。 すばらしい内容です。 翌朝も、おいしい朝食からスタートです。 料理長手作りの胡麻豆腐、関東と関西の二種類の味の玉子焼き、むつみ豚の低温ロースト、鯛うす造りなどバラエティに富んだメニューが、少しずつ。 長州黒かしわが入った、山口荒神味噌のお味噌汁が、しみじみと美味しい。 昨日は雨だった空も回復傾向。 夕景とは異なった、開放的な庭園がまた、みごと。 脇には足湯もあり、ここでのんびりするのも楽しそう。 新しい宿なので、ソフト&ハード共にまだまだ未熟さも見え隠れします。 それでも、こういった宿が生まれることで、いままでになかった新しいゲストに山口県に来ていただけるきっかけができると思っています。 ラグジュアリーなだけではない、心からのおもてなしがある空間。 それを、和モダンではなく、湯田モダンと提案したいと思います。 湯田モダンな宿、古稀庵。 本日、開庵です。 ぜひ、みなさま、山口へお越しくださいませ。
by naoko_terada
| 2011-07-06 10:02
| 日本
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Comments(2)
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masabike at 2011-07-08 08:13
かなりよさそうです、行きたいです。でも奥様乗せてバイクで行くにはちと遠いかな。やはりここは一人旅で行きたいです
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naoko_terada at 2011-07-08 21:14
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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