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福島・猪苗代湖の近くでペンションを営む知人がいます。
彼と知り合ったのはブログ。 今から7年ほど前のことです。 自分で宿をやることを夢に、 北海道の旅館に住み込みで働き、調理師免許の資格を取得。 2009年に念願のペンションを開業するまでの悩み、挫折、 縁のあった人たちの励ましなど、 日々の思いを真摯につづる彼に日本の観光業の未来をみているようで、 応援してきました。 ![]() そして5月末、東北の遅い春が芽吹く新緑が美しい季節。 初めて彼のペンションをたずねました。 名前は、「ペンションすまいる」。 いい名前です。 ![]() お部屋はこんな感じ。 この部屋はロフトもあり、3名まで利用できるとのこと。 清潔感があり、かわいい雰囲気です♪ 初対面なのに、なぜか知り合いのように思うのがブロガー同士のご縁。 ゲストのための食事の調理など忙しい間をぬって、 コーヒーを淹れてもらい、あれこれと語りあいます。 彼のペンションでは地震・原発による避難者の方々を受け入れてきました。 被災された宿泊者のみなさんのお世話と、通常の業務へ戻るタイミングとの兼ね合い。 宿の主としてのジレンマ、あせりが痛いほど伝わります。 わたしにできることは、ただ彼の話を聞いてあげることだけ。 その夜は、 避難されているみなさんと一緒のテーブルで夕食をいただきました。 ![]() 長期で滞在されている方への配慮から、通常のメニューとは異なるとはいえ、6、7年前は包丁さばきもままならなかった(ゴメン!笑)彼が出してくれたのは地元の食材を使った温かみのある、しかしプロの技を感じる手料理。 近くで採ってきたウドの入ったグラタンは立派な一品。 お供は地元・猪苗代で作られたあいづ醸造ワイン。 さまざま思いが交差するものの、ひとつのテーブル、同じ空間を共有する温かさと思いやりがそこにはありました。 ![]() 翌日、朝食には炊きたてのご飯に、 山菜やきのこ類がたっぷりと入った味噌汁。 飯坂温泉名物のラジウム玉子も! シンプルだけれど、嬉しい一品ばかり。 作り手の気持ちが込められた料理ほど心を癒すものはありません。 再会を約束して、宿を後に。 ![]() 帰り道、磐梯吾妻スカイラインを走り抜ける。 ![]() 高く青い空、噴煙をあげる活火山、新緑が鮮やかな春の生命力が胸を打ちます。 流れる景色を見ながら、 どこに暮らしても、日本が心から離れることはないこと。 こころざしある人、かけがえのない風景がある限り、日本と共に暮らしていこう。 あらためて、そう思う気持ちが湧き上がります。 それもまた、今のわたしにできるささやかなことだから。 後日、彼から宅配便が送られてきました。 ![]() 中を開けると、こんな嬉しいサプライズ。 わたしが訪問した際にいただいた会津のワインです。 赤と白の紅白のプチボトル。 そう、人生のパートナーと出会い、彼は新しい一歩を踏み出しました。 現在は少しずつ一般のレジャー客の予約も始めています。 まだまだ大変なことはあるかもしれませんが、 かわいい奥さまと、明るい笑顔と共にがんばって乗り越えていくことができるはず。 そんなふたりを今までどおり、わたしもブログを通じて見守っていきたいと思っています。 Sくん、Tちゃん、ご結婚、おめでとうございます! With Happy Smile !
by naoko_terada
| 2011-07-04 06:00
| 日本
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Comments(2)
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先日は、どうもありがとうございました!!
お会いできて、本当に嬉しく光栄に思っています。 また、このような温かい記事までいただき・・・感謝でいっぱいです。 当日は自分が話してばかりで、色々と聞いてくださったことに深く感謝しています。もう1ヶ月以上経つのですね。やはり当時は特殊な環境で、自分も平常の状態ではなかったと今になると思います。今はだいぶ落ち着き、出遅れた夏の予約を取り戻すべく新たに仕事に励んでます。 料理は、本当に緊張していました。特に妻は心配していました(笑) でも、そうなんですよね。もともとの過程からみてくださっているから、いい意味で肩の力が抜けました。 未熟な2人ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ブログを続けてきて、寺田さんやブロガーの皆様が励ましてくださったからつらい時期も乗り越えられたと思っています。 本当にありがとうございます♪
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angel-hokkaidoサマ
こちらこそ、ありがとうございました! あんまりゆっくり話をする時間がなかったのが残念でしたが、がんばっている気持ち、思いっきり感じました。 暑い夏になりそうですが、二人でがんばってね。 また、遊びに行きますね♪ おめでとう~。
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ![]() ![]() ツイッター ブログパーツ
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