|
![]() 昨日は夏日に近いような京都。 向かったのは結婚式で有名な平安神宮会館。 朱色の鳥居をくぐり抜け、ヤサカタクシーや、修学旅行生たちの姿を見ながら、高い垣根に囲まれた栖鳳殿(せいほうでん)へ。 今回の目的は、2014年2月に開業予定のザ・リッツ・カールトン京都の契約締結発表記者会見に参加すること。会見前、会場内で報道関係者がなにやら集まっていました。 ![]() ホテルの模型です。 この建物を見て、「!」とわかった方は京都通です。 そう、ザ・リッツ・カールトン京都ができるのは、今年、惜しまれつつ閉館したホテルフジタがある場所。基本的に価値のあるものは存続させながら既存の建物を取り壊してまったく新しいホテルとして誕生します。現在の7階建てもさらに低く、4階建てに。代わりに地下3階とし、そこに施設を充実させるとのこと。景観法が厳しい京都ならではの知恵でしょう。 ![]() 総客室数は136室を予定。スタンダードの客室でも50㎡と、東京のラグジュアリーホテル並みにかなりの広さ。デザイン、コンセプトなどディテールに関しての発表はもうちょっと先になりそうです。価格帯は東京レベル、ということですから6万円代~、かな? ターゲットはもちろん国内外の富裕層です。 レストランは日本料理とイタリアンの2ヶ所。 小さな宴会場も設けるということです。 ![]() 契約締結発表記者会見ということで、マリオット・インターナショナルのアジア太平洋地区社長兼マネジングディレクターのサイモン・クーパー氏、土地を所有する積水ハウスの代表取締役会長兼CEOの和田勇氏の両社が登壇。ホテルのコンセプトなど詳細よりも、もっと大枠でのビジネスアプローチに話題は集中します。 ちなみに、リッツ・カールトンはマリオット・ホテルが持ってます。 積水ハウスはおよそ200億円を投資して、このプロジェクトを推進。クーパー氏が途中、ジョークで、「セキスイハウスさんにもうちょっとがんばって地下を掘ってもらえば温泉が出るかも」と言ってましたが、ホテル単体の建物を作るのですからチャレンジです。 実は積水ハウスは、昨年開業したばかりのもうひとつのラグジュアリーブランド、セントレジス大阪のオーナーでもあります。セントレジスが入っている「本町ガーデンシティ」を積水ハウスが所有しているわけです。 京都はリッツ・カールトンだけでなく、やはり2014年にフォーシーズンズも開業を予定。隠れ家アジアンリゾートの雄、アマンリゾーツが京都進出というウワサも依然、根強いですから、今後も外資系ホテルの誕生はありそうです。 京都というと、まずは旅館。という方が多く、そのイメージもあります。 そして、今回のザ・リッツ・カールトン京都。 もちろん既存のホテル、旅館と競合するわけですが、健全な環境での「競争」はそれぞれの価値を高めるためにも必要です。 でも、さらにその先を考えれば、京都というブランドの価値を高めるために「共存」することが重要だと思います。旅館とホテルは機能、空間、サービスがまったく異なります。むしろ正反対と言ったほうがいいかもしれません。 おひとりさま、スパ好き、富裕層ファミリーなど新しいマーケットを開拓するチャンスにもつながります。外資系最高級ホテルがなかった京都にとって、リッツ・カールトンやフォーシーズンズが誕生することは大きなアドバンテージです。 開業は2014年、その頃には地震・津波からの復興、原発の不安も解消されているだろうとクーパー氏は見解を語りました。また、和田取締役会長兼CEOは、 「大阪、京都など関西が元気になって日本をひっぱっていかなくてはダメ」と断言。 確かにそのとおりだと思います。 京都ブランドを、そして日本をどう変えるか。 ザ・リッツ・カールトン京都に期待しましょう。
by naoko_terada
| 2011-06-09 09:29
| 日本
|
Trackback
|
Comments(6)
![]()
こんにちは。
先ほど新聞でリッツカールトン京都の建物詳細についての記事を読んだところですが、直子さんの記事はより詳しく、心躍るものでした。2つの最高級ホテルが京都に進出し、京都がどう変化していくのか3年後が今からとても楽しみです。 いつも最新の情報をご提供くださり、ありがとうございます。
0
otenba kikiサン
楽しみですよね~。昨日のはホントに契約提携の発表なので今後、ディテールが出てくるのが待ち遠しいですね。 こちらこそ、いつも読んでいただき感謝です。もっとマメに更新しないと、ですね。。。 有意義な情報をご提供できるよう、がんばります! ありがとうございました。
2年前、京都に遊びにいき、タクシーの運転手さんに聞いたら、積水さんがお買いになりました。。。と言ってましたが、リッツカールトンになるのですね。 旅の楽しみが増えました。
![]()
本当にそう思いますか?
京都にリッツがふさわしいと? ブータンで何を見たのですか? ブータンで何を学んだのですか? 共存・・・共栄・・・・今の京都に そんなポテンシャルがあるのでしょうか? 周辺を歩いてみました。 世界中どこでも、リッツ、ハイアット・・・。 京都だけはそんな浅はかな町ではないと思っていたのですが。 周辺を歩いてみました。 ここにリッツ?絶望です。 日本が心配になってきます。 日本のホテル頑張らなければ。
ゆまサマ
コメントをありがとうございます。 都市にしろ、ホテルにしろ進化します。悪くなる場合もあるでしょうが、今よりもさらにすばらしいものになる潜在能力はあると信じています。私はその可能性を引き出すのが、ツーリズムだと考えます。 5、6年前、東京に新しい外資系ホテルが次々に増えて「ホテル戦争」と呼ばれていました。結果、私が思う限り、東京のホテルはビジネスホテルも含め、サービス、空間の質が格段に向上しました。ホテルマンのもてなしへの姿勢にも変化があったと思います。 そして、帝国ホテルなどは外資が増えたにも関わらず、堅調に利益をあげました。これも企業努力であり、ホテルの本質を理解するゲストがいたからこそでしょう。 今回のリッツカールトンの登場も京都のサービスの質をけん引するきっかけになると思っています。「共存」「共栄」も努力をするホテル、旅館であればできると思っています。日系、外資にかかわらず。 それから、ブータンと京都は環境がまったく異なるので、比較対象にはなりません。逆にブータンの観光化は急速に進んでいますので、そちらのほうこそ憂慮すべきことがあると思っています。
|
![]()
筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ![]() ![]() ツイッター ブログパーツ
最新のコメント
最新のトラックバック
以前の記事
カテゴリ
全体 東北応援! 福島 熊本 トラベル ホテル&リゾート エアライン ワイン&ダイン 掲載メディア 日本 TOKYO HOTEL マイ・フェイバリット 伊豆大島 その他 トラベルTIPS 新型コロナ わたしのこと Hav Cafe 島ぐらし タグ
ファン
ブログジャンル
|
![]() |
||
![]() |
||
|
ファン申請 |
||