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昨日、打ち合わせがあり、銀座へ。 少し遅めの昼下がりを、中央通りの人の流れにあわせて、歩く。 初夏の雰囲気のウインドーショッピングと、 銀座のハレな気分を楽しむのには、ちょうどいい季節。 そんな軽やかな気持ちで、 銀座の名フレンチ、レカンの前を通りすぎようとしたとき、 店の入り口に、背の高いトック(帽子)をかぶったシェフと、 二人のマネージャー級の黒服の方が行きかう人と対峙するように立ち、 通りに向かって深々と頭を下げている姿が。 どうやら、大切なお客様の見送りの様子。 シェフは、料理長の高良康之さんのようでした。 一流のレストラン、料理店ならば、これはあたりまえのこと。 でも、「おや?」と、思ったのは、 もう、お客様の姿も見えないのでは、と思えるほどになっても、 ずっと姿勢を変えず三人で、その方が歩いていかれた方向を見守っていること。 銀座の中央通りは、ご存じのようにまっすぐに延びています。 ポツンと小さな点のようになっても、 視界が良ければ、まだそこに立っているのかどうかは、わかることもあります。 最後まで、気を抜かず、 誠意をこめて、見送る。 彼らの姿に、レカンの誠実さ、ゆるぎのないサービス哲学を見た思いがし、 こちらまで清々しく、幸せな気分に。 「いい仕事」をしているプロフェッショナルたちを見ることほど、 すばらしいものはありません。 そして、そんな名レストラン、プロたちが集う、 銀座もまた、 東京が誇る、麗しき街なのです。
by naoko_terada
| 2009-05-13 23:38
| その他
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Comments(8)
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mikansky at 2009-05-14 07:26
以前、ある方にレカンへお招き頂いたことがあります。
少しばかり肩に力を入れて乗り込んだのですが、 とても楽しく、とてもリラックスした時間を過ごすことができました。 ご一緒させて頂いた面々の大人ぶりもあったのですが、 それに合わせていろいろと気遣いを見せてくださったレカンの 皆さんの"プロ"の仕事が、フレンチの名店などに滅多に足を運ぶことのない私を気持ちよくリラックスさせてくれたのです。 料理に関する話はもちろん、シーズンに合わせた食器の使い方を聞かせて下さったり、私たちの冗談話にも付き合って一緒に笑って下さる。マネージャー級の方から若い方まで、本当に気持ちのいい接客でした。 そう頻繁に伺える場所ではありませんが、 ぜひまた来ようと思ったのは言うまでもありません。 プロの柔らかさを見せて頂いた、いい時間でした。
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こんにちは。お久しぶりです。
日頃カジュアルなお店ばかり行っている者にとって、レカンのようなところは本当にハレのお店という感じで、たまに行くと背筋がピッとして気分も変わっていいものです。 こういうお店で受けるサービスは、やっぱり特別感がありますね。 ところで、姿が見えなくなるまでのお見送り、特に和食のお店などでやっていただいたりしますが、小心者の私などは、ふり返らなくていいものなのか、ふり返った方がいいのか、曲がり角にたどり着くまでドキドキしちゃいます。(笑) 結局、何度かふり返り、その都度手を振り、頭を下げ、最後曲がり角で大きく手を振ってご挨拶しちゃいます。 姉御肌の直子さんは、こういう時どうされているのでしょう?
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carambola at 2009-05-16 10:21
そういう場所に行った時に,きちんとしたサービスが受けられるような
人になりたい,と思いますね~. いいサービスを受けるには, こちらもキチンとしていないといけないですもんね. 気楽な居酒屋もいいけど,たまにはいい緊張感を味わいたい!
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kooozzzyyy
at 2009-05-16 12:05
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本物のプロほど、細部にこだわりを持ち日々継続していらっしゃると思います。レカンのお話を聞いて、何か心が温まるものがありました。初心に帰りたいと思います。ありがとうございます。
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naoko_terada at 2009-05-17 17:47
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naoko_terada at 2009-05-17 17:49
hiyokoサマ
私は角になったときに、最後に一度、こちらからのお礼の気持ちをこめてふりかえって挨拶します。 もう、相手が背中を向けていることが多々、ありますが。。。 でも、銀座の中央通はとにかくまっすぐですから、 ずーっと見送っていましたよ。
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naoko_terada at 2009-05-17 17:50
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naoko_terada at 2009-05-17 17:52
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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