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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.36
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あとんvol.37に掲載された「装丁問答」です。



装丁問答.36 まっすぐ目に飛び込んでくる装丁

「キムチなしで一ヶ月も過ごすと、僕の血は騒ぎ出し、この辛いサラダを求めて叛乱を起こし始める。韓国人として横浜で生まれ、カナダで育ち、パリに流れ、日本で唯一のものを見つけた。ディアスポラを生きる男のまったく新しい韓流小説」と言う帯(こしまき)のフレーズにビンビンと感じるものがあった。
「まったく新しい韓流小説」と言いきっているものの、今迄に僕は韓流小説というものを読んだ事がないので、「何が」新しいのか分らないところがある。兎に角このフレーズにひっかかり、「新しいもの好き」の僕としてはまいってしまった。なかなかいまどき出来ない言いきり方だと思った。

僕は大阪弁で夢を見るのと東京弁で夢を見るのとでは感覚が違う。つまり、同じ思考をするのでも、大阪弁と東京弁では随分と温度差がある。この人はフランス語でものを考え、日本語で定着し、韓国語で実行しているのかなぁ。レベルは違うが何だか感じは分るような気がする。

「キムチなしで一ヶ月…」というところもなかなか気に入った。と言うのは、「スッカラ」という韓国のステキ文化を提供する韓流雑誌の編集長を引き受けたことで、韓国文化院の方々と交流が生まれたからだ。この事で多少身辺に変化が起り、意味は分らないんだがハングルであるとか、キムチであるとかの食べ物関係の名前、タレントさんの名前、パンソリ、Kポップという音楽関係のフレーズにやたら反応するようになった。

と言うことで最近、3度、4度とソウルに行っている。大阪に行くくらいの感覚で行けるところが良い。大阪とちょっと似ているところがあって、街の匂い、動き、古き良き時代の韓国の伝統と新しき世界の息吹きを感じる。言ってみれば世界の情報がここソウルに集中、交差している感がある。人々は好奇心に満ちあふれた顔つきで、獲物を狙う動物の鋭い目つきにも見える。日本も含め同じアジア人の顔つきと比べたら微妙に違う。ちゃんとしたアイデンティティーがある。

十年前にこんな事があった。釜山の田舎の方に取材で行った時、ちょっとトイレを拝借した。くみ取り式の便所で子供の頃(終戦直後)を思い出した。ところが、居間でお茶を御馳走になった時に目にしたのは、卓袱台の上に無造作に置かれた最新型のパソコンだった。この落差に韓国の文明度のスピード感を感じた。

先日「スッカラ」の取材で訪問した時は、その予想通りソウルの表情は一変していた。ハングルの表記しかなかった街の看板も英語が入り、漢字があふれていた。東西文化の交差点を思わせる。韓国の事は詳しくもなんともないが、こういうスピード感のある、フットワークの良い韓国に惚れてしまった。
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実はこの本も偶然別の用で本屋さんを探索している途中で「キムチ」という文字に反応、「ジャケ買い」をしてしまった。本の判型目いっぱいにレイアウトされた「キムチ」という文字が、これでもかと目に飛び込んできた。催眠術にかかったように、僕が探していた本はお構いなしでレジに向ったほどだ。それくらいこの本の存在が強烈だった。

ジャケットの書体がなかなか良い。フランスのエスプリを感じさせるお洒落なつくりとなっている。レイアウト、空間のとり方が良い。スミ一色で「キムチ」とタイトルが入り、ローマ字で小さくKIMUCHIと赤である。色使いのセンス良しだ。表紙、見返し、扉がデザイナーの腕の見せどころだ。着物の裏地に凝るところが「粋」と言われるが、まさしくそれに値する。赤の表紙と見返しの紙の選択が良い。本文の紙がクリームがかっているのでカバー、扉はまっ白となっている。この対比が素晴らしい。この装丁者は達者な人だ。「奥付」に装丁・松昭教とある。
by k2-d | 2008-04-18 18:55 | 装丁問答
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