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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.34
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あとんvol.35に掲載された装丁問答です。



装丁問答.34 大久保さんのファンです

 人形町の「松浪」というお好み焼き屋さんに二十年程前から通っている。お家の構えは、粋な黒壁に見越の松がある様な江戸下町の風情を満杯に残している。大阪の出身であるところの僕が探し求めていたぴったりのお好み焼き屋さんであった。話の特集で矢吹申彦さんが何気に書かれていたのを発見、すぐさま訪れて気に入ってからの馴染みである。チャキチャキの江戸っ子である女将さんが店中を取り仕切っている。

 先日ある事で、大阪生まれの僕が江戸っ子の女将さんに思いっきり感動した事があった。「先生(僕の事を何をする人か?分らないままこのように呼んでいる)」「長友先生の告別式に行ったんですよ」といつもとちょっと違う複雑な表情でこう言ったんです。僕は何のことやら「?」ポカンとしていたら、新聞に出ていたんですよ、「長友健二」さんの訃報が。「長友先生は珍しいお名前なんで、下の健二さんの名前迄目が届かず」「てっきり長友先生だと思い込んでしまったんです。」「さぁ大変。頭の中は真っ白となり、とるものもとりあえず」「てぇへんだ、てぇへんだ」(この辺りが江戸っ子たる所以と見た)誰に聞く事も無く、当日告別式の場にスッ飛んで行って見ると、どうも雰囲気が違う、周りを見回して見ても知らない人だらけ、よく見ると献花の名前に友人として僕の名前があるじゃありませんか。そこでやっと「長友啓典」の告別式ではないと、女将さんが気づかれたそうです。気がついて見るとバツが悪い話ですわ。ホテルなんかで結婚式に間違って入りさんざん飲んで食べて周りを見渡して、ハタと気がつく事はたまにあったとしてもお葬式にこんな話はあまりない事だと思いますねぇ。女将さん多くは語らなかったんですが、ひょっとしたら「お香典」を渡してしまわれたんじゃないかと思われます。「人違いなんで、先ほどのものお返しして下さい」とも言いにくいですわなぁ。

 お葬式で思い出すのは、「中上健次」さんの事である。これは私めの事なんです。当日告別式に少々遅れて千駄ヶ谷の「千日谷」に行ったところ、友人、知人、編集者の方々、大勢の人達がすでに集まっておられました。もう弔辞が始まっていたんです。その告別式を仕切っている顔見知りの編集の人が長い列に並んでいる僕を見つけ「先生、ご苦労様です。」と案内してくれました。その人に添ってついていくとドンドン前の方に連れられていかれるんです。親族の席を通り越して最前列まで来てしまいました。案内してくれた人も悪気があっての事でなく空いている席を探しているうちに何千と言う視線を背中に感じつつそこ迄来てしまった感じなんです。ポツンと空いている席に「どうぞ」と言って彼は立ち去りました。「ご苦労様」と声を掛けたその時に丁度別れの弔辞を読み終えた、安岡章太郎先生がこちらに向って来られるじゃありませんか。まわりが一瞬ざわつき、凍りつきました。なんとポツンと空いている席は安岡さんの席だったんです。安岡先生も「ここは僕の席だよ」と声を荒げる訳にもいかず、まわりも何も言えません。冷や汗がツーッと背中に流れ落ちて来ます。キョロキョロとまた空いている席を見つけそちらに移ったのは良いんですが、柄谷行人さん、都はるみさんの丁度横の席でした。四十分程の間、いたたまれなかった憶えがあります。
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 さてと、大久保朋子さんの装丁の話をしなければなりません。葬式の話をまくらにもってきたのは良いんですが、落としどころを見つける事が出来ませんでした。すいません「大久保さん」。苦し紛れに言うんじゃないのですが、僕は彼女のファンです。彼女が手がけた全ての装丁が好きです。先だって講談社出版文化賞も良かったし、なかでも「はじめての文学」シリーズは最高です。大胆なデザインは目を見張る思いです。これはアイデアが出て来ても、実行出来るものではありません。素晴らしいです。ファンです。これからも頑張って下さい。
by k2-d | 2008-02-01 15:16 | 装丁問答
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