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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.22
装丁問答.22_c0009877_22231441.jpg

2006年10月号のあとんvol.23に掲載された「装丁問答」です。

装丁問答.22 本屋さんで宝探しをする楽しみ

僕は本屋さんが大好きです。あの空間が好きなんです。東京で言えば古本・新刊いろいろの本がある神田の街が大好きです。そこに足を運ぶのが好きというひとつの理由に、本なら本、雑誌なら雑誌がそのお店に何万冊あるか分らないが、それぞれ一冊一冊を作るのに欠かせない時間と費用と人の数(知的労働と肉体労働)は計り知れないものがある。そのパワーと執念と怨念とオーラが店中に満ち溢れている。
「ちょっとそこのお客さん、私を読んで下さいよ」とアピールしている。「タメになりますよ」「楽しいですよ」「怖いですよ」「美味しいですよ」「色っぽいですよ」。スッピンであったり、厚化粧であったり、いろいろと手を変え、品を変えて誘ってくる。それぞれのその声なき声が店内に「ざわめき」を醸し出している。僕はそういう空気間のなかに身を寄せて、じぃーッと浸っているのがことの外好きである。癒されるという事でもないのだが、僕も同じ世界で生きているからか、奇妙な落着き感がある。

もうひとつはお客さんの動きを観察しているのが好きなんです。気がつくと二、三時間は店内にいる事がある。万引きGメンと間違えられても仕方がない程、永い時間店内にいる事がある。雑誌、単行本、辞書、ハウツーもの等これを読みたい、これを買うと一直線にその目的のところに行って購入する確信犯の客がいる。最近ひどいのは編集者が「地を這うように」取材したものを写メールで「バシャ」と一発おさえ、そ知らぬ顔で退店する不埒な奴がいる様だ。赦せませんなぁ。まあ、昔も同じようなは必要なページを破いて持っていったと聞きますが、ホントお縄にしてやりたいですね。話はそれましたが、そうかと思うと、何の目的もなく、(ひょっとしたらデートの待ち合わせかもしれないが)「何か面白いものないかな?」と店内をうろうろと浮遊し物色している人達がいる。何も目的がなく、あちらこちらの本棚に手を出しながらこれだと思ったものを見つける事が出来た時は宝探しでお宝を掘りあてた感じと似ているのかも知れない。また釣りをするわけでもないが、竿の先から糸を伝い魚が食いついた感触を感じるあのドキドキ感と似ているのではなかろうかと想像したりもしている。『世界の中心で、愛をさけぶ』を見つけた時もそんな気分がした。何年前になるのか、この本がまだ、騒がれる前だった。マスコミに取り上げられるやいなや、あれよあれよと刷りを重ね4年間で32刷、321万部になったと聞く。こういう一冊と出会う楽しみが本屋さんを浮遊する理由のひとつに数えられる。
装丁問答.22_c0009877_22113647.jpg

後で分ったのだが、この本の装丁者の柳澤健祐は僕の事務所にいた青年だった。ケイツーを退社後、フリーデザイナーとして事務所を構えて活躍している。このところ『ココデナイドコカ』島村洋子著、写真・中島博美、祥伝社刊。『最後に咲く花』片山恭一著、小学館刊。『LOVE』古川日出男著、イラスト・黒田潔、祥伝社刊。『船泊まりまで』片山恭一著、イラスト・菅弘志、小学館刊と平台をにぎわしている。彼のデザインした本が平台からとぎれる事がないほどの人気デザイナーとなった。
彼のデザインの良いところは丁寧な本づくりという事につきる。常日頃自分がデザインをする雑誌を含めてあらゆる雑誌を見て、面白いと思う新人のカメラマン、イラストレーターの情報を集めている。人だけでなく、モノ、コトに目をくばり、いわゆる、いっぱいの引出しを持っているという事になる。『船泊まりまで』、この本も3枚の写真を合成して一枚の絵に仕上げるという手作りの写真となっている。彼のデザインには今のデザイナーが忘れがちとなる工夫がある。イマジネーションがある。そこにクリエイティブが生まれる。見事なもんだ。
by k2-d | 2007-02-19 22:21 | 装丁問答
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