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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.20
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装丁問答20 60頁も立ち読みしてしまった

 めずらしい名前のアーティストが品川の「原美術館」で展覧会を開いていた。朝日新聞の夕刊に連載中なので、見憶えのある人も多いと思う。吉田修一さんの小説のさしえとして登場した時は、ドえらい新人が出て来たもんだと「アッと」驚いた。吉田さんの小説は日常のごく普通の話なんだが、絵は日常のなかから時空をとび越えた、非日常のものをたんたんと描かれている。
 束芋(TABAIMО)という名の人である。僕はその字がなかなか読めなかった。男の人なのか、女の人なのか? もわからなかった。若い人なのか、年輩の人なのか? もさっぱりわからなかった。単にシュールでくくれない奇怪な絵は今迄に僕が見た事もない、時空間を表現してくれている。四千年の歴史を持ち、これからの四千年を持ちそなえている中国の人と思い込んでいた。束芋さんのカタログを買ってプロフィールを見る迄はなぞの怪人物として、ミステリアスな東洋人(なぜか西洋文化圏ではないはず)として、僕の脳にインプットされていた。そのつもりで朝日新聞の小説を見ていた。日本の話なのに、この中国人は風俗、習慣、ものの考え方も違うのによくぞここまで絵にしているなぁと感心までしていた。
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 展覧会を見終わってプロフィール入りのカタログと絵本を買い、小説本『マイ・ハウス』小倉銀時著、産業編集センター刊を手に取りパラパラとひろい読みしていたら一気に六十ページほど読んでしまっていた。
 こんな事ってあるんですなぁ。絵の本ならともかく、小説を本屋さんで五十ページも六十ページも立読みしてしまう事なんぞ、そうそうあるもんではない。初めての体験でした。そう言ったらなんですが、この本、相当大きな本屋さんでも平積みされていないでしょう。
 ひょっとしたらそこいらの本屋さんには置いてないかも知れない、たまたま変わった名前のアーティストだなぁ。物凄い絵を描く人だなぁ、と思い展覧会に行き、売店に行き、本を手にしたから出会えたんですねぇ。本屋さんでのジャケ買い、新聞雑誌の書評で知るのが普通なのに、こういう出会いは何万分の一でしょうかねぇ。なんかうれしくなってしまいますなぁ。こんな時は幸せな気分になります。

 後で知るのだけど、何の事はない、知らなかったのは僕だけで束芋さんはドローイングにとどまらずアニメーション、インスタレーション、あらゆる表現手段を駆使してあちらこちらで賞をとられている新進気鋭の妙齢な女性作家さんだったんです。
 若い人達には絶大なるファン層を最早獲得されていたんですね。どうも展覧会場も僕の知る展覧会とちょっと違うなぁと感じるものがありました。どちらがどうか分からないが、束芋という才能が小倉銀時という才能を呼んだのですね。

 田辺聖子さんの帯にあるように、「怖・く・て・可・笑・し・い」が言い得ている。こうもいえる。一抹のユーモアがおかしい下味を付けている。現代社会の一断面を活写しての快作。見事に小倉銀時の小説『マイ・ハウス』を視られている。
 この本の装丁の面白いところはカバー、帯、表紙、トビラと束芋さんが展覧会でも多用されていたことで、アニメーションの手法をブックデザインにとり入れられているところだ。場面の展開が非常に面白い。カバーのピンクの地色は非日常を表している。帯にはパートカラーで日常を出している。

 帯をとると落下する衣服があり、 〝動き〟を表している。持ち前のテクニックを十二分に発揮している。表紙からトビラへと、トビラから文章に持っていく技は只者ではない。
by k2-d | 2006-08-21 15:39 | 装丁問答
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