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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装幀問答.19
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装丁問答も数えて19回となりました、「あとん」に2年にわたり連載したものです。そろそろ一冊に纏めたらとのお薦めで秋口に出版の運びとなりました。その節はまた、ご連絡します、よろしくお願いいたします。

「あとん」の連載は今までどうり続きますので、よろしく。

装幀問答19 手にとっただけで感じる温もり

『古本買い十八番勝負』(嵐山光三郎著/集英社新書)が面白い。
 嵐山さんとは平凡社の編集者のころからのお付き合いだ。月刊『太陽』におられた時に初めて原稿を依頼された。写真評のコラムだった。右も左も分からない駆け出しのデザイナーに原稿依頼とは度胸の据わった人だなぁと感じた憶えがある。この本は古本散歩の楽しみがヒシヒシと伝わってくる。
 あとがきに内田百門の装丁の表紙絵を誉め、「手にとっただけで読書欲をそそる」、という一文がある様に、絵とかデザインにも造詣が深い。

 僕もたまに古本屋さんをのぞくことがある。事あるごとに立寄る様にしているが、この本に登場する何人かの散歩者には帽子を脱ぐ。それぞれが個性的で楽しそうな人達ばかりだ。
 嵐山さんはこういう集まりを束ねるのが実に上手い、たくみだ。
 小説にしろ、エッセイにしろ、旅行ものにしろ、この人の書くものに、なにか浪花者の僕にはひっくり返っても真似の出来ない、江戸前のキレがある。爽快感がある。粋者という言葉があるとすれば平成のスキモノだ。

 実はケイツーの相棒、黒田征太郎から『古本買い十八番勝負』を「これ読んだ、面白いよ」と手渡された。昔から黒田はこのようにさりげなく面白い本を僕に薦めてくれている。
 意外かと思われるかもしれないが、僕の知る限りジャンルは問わない相当の本読みだ。ハードボイルドと世間で言われ始めたころからハードボイルドは可成り読んでいた。早川ミステリーから出ていたダブルオーセブン(007)をいち早く教えてくれた。田中小実昌さんの名前もこのころもうしゃべっていた。後になってゴールデン街の「前田」で紹介された時には感激したもんだ。ダブルオーセブンが映画で有名になったのはその後のことだった。それ以来折に触れ、そういった事があり、数多くの本を知る事が出来た。

 嵐山さんの文章のなかにあった様に「手にとっただけで読書欲をそそる」という読者側にたって装丁をしていく本づくりをさせると、数多くの本を読んでいる黒田は、大した装丁家でもあると言って良いのではないかと思う。理屈ではない。身体で感じるのである。
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 この『シブイ』(開高健著/TBSブリタニカ刊)は見事にそれがなされている。大正、昭和初期の数多くの装丁に見られる何とも言えない温もりを、和みを、本を手にした時に感じるのに通じるものがある。
 今はなくなったがサントリーが編集していた「バッカス」という酒を中心にしたライフスタイル情報誌とでも言うのか、楽しい雑誌があった。そこに連載中も黒田がさし絵を描いていた。連載中からこれが本になった時はこの様にしようと毎回の様にシュミレーションされていたかの様に、箱は黒地に黒のタイトル文字を印刷、箱から出すとカラフルなシンボリックなイラストレーション、本文の書体の選定、ケイで括った文字組み、随所にちりばめられた迫力のあるさし絵(さし絵の枠を越えている)全てが黒田の中で開高文学が昇華されている。

 僕と相棒を組んで四十年、そんなに沢山の装丁をしているとは思わないが、年に何冊か手掛ける本は見事なものばかりだ。
by k2-d | 2006-08-14 16:13 | 装丁問答
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