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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.14
食べる事ばかりのブログになってしまっているのが少々気がひける。
というのは、「僕はいつもこんな美味しいものを食べているんだぞぉ〜」と自慢たらたらしていると受け止められているのではないかと思うからだ。
と言いつつ昨夜も西麻布にある「こんぶや」(おでんと創作料理で若い人に評判の店)で会食、デザインの新しい雑誌を創ろうかなぁと昨年来、4、5人のメンバーで話し合っている。喧喧諤諤と議論は沸騰する。ところがいつも話が佳境に入りかけたら、いつもお酒のほうも佳境に入り、自然に話がフェードアウトしてしまう。困ったもんだ。

と言う事で週に1度ぐらい、いや2度ぐらいは「デザインの話」をしてみたいなぁと思ってます。

アートンという出版社が出している「あとん」というPR誌に1年程前から本の装丁の話を連載している。なかなか良い出来なもんで皆さんに紹介したいと思います。
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「あとん」について詳しくはこちらをご覧ください。「あとん」ホームページ


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装丁問答 14 ジャケ買いしてしまった装丁

 先日、面白い本を読んだ。

 『随筆 本が崩れる』(草森紳一著/文春新書)である。なんと風呂場のなかで雪隠詰めに遭われた話なんです。想像するだに抱腹絶倒ものであり、読んでいくと次々に恐怖と共感に移行していきます。草森さんのお宅は兎に角、本の山である。

 玄関から廊下、リビングから書斎、どこが書斎か仕事場か境目がない有り様だ。仕事机の上から床へと、本に資料にと所狭しと積んであるのでいざ執筆となると本を掻き分けて、少々の隙間をつくってはお仕事をなさるらしい。家のあちらこちらにそういう島があり、ここは小説、ここはエッセイ、ここは雑文と分けておられる様だ。えんえんとその本の山が浴室までつながっている。廊下の両サイドの壁は、本棚から本箱から生き物の様に本が増殖している感じである。

 ある時ご主人様が浴室に入られた(どうもあまりお風呂はお好きではない様だ、関係ないか!)、その時のことだ。最初は扉の開け閉めの微妙な振動で一、二冊がパタパタとズレる程度に落ちたのを気に止める事なく、思い切りよくザブーンと浴槽につかりホッとしていると、バタバタズズズー、ガタガタガタ、ドカーンと凄まじい音がして無人のはずの我が家にまるで乱暴浪籍者が暴れまくっているような音が、いやサラウンドの音響がするので、折角久し振りの風呂で良い気分なのに何事かとおもむろに湯船より脱衣所に行き、浴室のドアーを開けようとしたところウンともスンともピターッとドアーが閉じられたまま動かないではありませんか。
 なんと天井を打ち破らんばかりに積んである本の壁が崩れ落ち、浴室のドアーをきっちり塞いでしまったんですなぁ。

 最初は「あっ、しまったなぁ」と軽く考えていたのが色々周りを見まわすと、浴室に窓がない。今話題の耐震偽装マンションでなくちゃんとしたマンションなので大声を出しても届かない。草森さん以外にこのマンションに出入りする人は無く、思いつく良い材料は何ひとつ無いのでありますぞ。言って見れば家庭内遭難ですわな。このまま浴室から出られず誰にも気付かれる事なく電話が鳴っても取る事も出来ず、宅急便のインターフォンが「ピンポーン」と鳴っても出る術もなく、己が朽ち果ててしまう事を想像したら、こんな恐怖はないですよ。こういう事は日常あちらこちらと出くわします。皆さんもひとつやふたつ経験がおありかと思います。ページ数が足りないので、草森さんの脱出行はこの本を読んで下さいませ。

 年末年始のお休みに気になる本を三十冊程読んでしまいたいと買い込んである(毎年の事なんだけど全部読み切れない!)。その中でも半分程は装丁がお気に入りである。
 『てのひらの迷路』(石田衣良著/装丁=佐藤可士和/講談社刊)がいちばん気に入っている。あまりに単純明快な装丁なのでつい買ってしまった(いわゆるジャケ買いだ)。家に帰り本日の戦利品とばかり何冊かの本を机の上にならべて見ていたら、装丁は佐藤可士和と記してあった。
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 佐藤クンはデザイン業界の後輩で、広告の世界では知らない人はいない超売れっ子である。SMAPの広告、キリンビールの広告等、挙げていったら枚挙にいとまがないぐらいだ。その佐藤クンの装丁だと知った時は流石だと思った。うれしくなってしまった。無駄を削ぎとってなおかつ軽妙なデザイン、無駄をとるという事はストイックなものになりがちなんだけど、そこが佐藤天才のなせる術なんだろうなぁ。もっともっと装丁の世界に入ってもらいたいもんだ。グラフィックデザイナー、アドバァタイジングデザイナーの人達がブックデザインを手掛けることが多くなってきた。

 装丁者、ブックデザイナーと切磋琢磨する良い機会だ。
by k2-d | 2006-02-23 18:57 | 装丁問答
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