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Q 賃貸住宅の更新料
2年ごとに来る賃貸住宅の更新料支払い。更新料って何のためのお金なのかわからないけど支払っている。なんかモッタイナイ気がします。(カーリーさん)
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2年に1度、1ヶ月分の家賃を払う。決して小さな金額じゃないし「本当になんでこんなお金を払わなきゃいけないんだ?」と思いますよね。更新料を払ったからってなんかいいことがあるわけじゃないし。
みなさんもモッタイナイ!と思っているようで、アンケート結果は…
YES 97.8%
NO 2.2%
でした。圧倒的です!
そもそもこの更新料ってやつは何なんでしょうか!?
歴史を紐解いてみると、更新料は礼金とともに第二次大戦後の住宅難の時代に始まった商慣習だと言われています。そのころ東京には人が溢れ、でも住宅が不足していて、圧倒的な貸し手市場、貸し手は礼金とか更新料という条件をつけてなるべく条件のいい借り手に貸そうと考えたわけです。さらに言えば借り手の権利も保証されていなかったので更新料を払えなければ即退去みたいな事例も頻繁にあったと聞きます。
しかしそれも50年以上前の話、それ以降、借り手を保護する法律もできたりしているし、更新料なんて慣習に過ぎないんだから払わなくていいんじゃないか…?と思いますよね。
そもそもそのような歴史があるものなので、実は更新料というのは首都圏と関西の一部でしか慣習化されていないのです。そうなるとますます払いたくないですね。
でも、なかなかそうもいかないのが法律とか契約の世界。商慣習というのはそれが慣習法として定着すると法律に準ずる拘束力を持つようになります。どうしたら慣習法とみなされるかというのは難しいところですが、最高裁で判例が出ると判例法としてかなりの拘束力を持つようになるのです。
そして、その判例が2011年7月15日に出ました。これは更新料の支払いを義務付けることが消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する契約」に当たるかどうかが争点となった裁判で、地裁や高裁では判断が分かれていたものです。最高裁はこれに対し「高額すぎるなどの事情がない限り、更新料は有効」という判断を示しました。具体的に言うと、1~2年ごとの家賃2ヶ月分程度の更新料は有効ということなのです。
残念!
これは更新料が家賃や敷金の補填の意味を持ち、それによって家賃が相対的に下がっているという家主側の主張を認めたものです。確かに、今は戦後とは違って借り手の意識も高まっているし、知識も増えているので、借りる前に更新料の有無は確認しますし、その更新料も含めて家賃が高いか安いかも判断するので、借りる時点で是認しているということは言えるでしょう。
要するに「前もって更新料があることは言ってあるのだから法外なものでなければ払いなさい」ということです。それが不満なら借りなければいいというわけです。うーん、分からないではないですがやはり心情的にはどうも腑に落ちませんよね…
アンケートの中に「とにかくお金を多く払うのはもったいない」という意見もありましたが、もっと多かったのは「意味のわからないものにお金は払いたくない」というもの。意味もわからず払うのは悔しいし本当にモッタイナイので、借りる前に言い出しにくいですが「なんのための更新料なのか」を確認しましょう!
それか、更新料のないところに引っ越すかですね…
なんだか暗い話になってしまったので、更新料なんて払いたくない!いやもう家賃も払いたくない!という人に本を一冊おすすめしておきます。
TOKYO 0円ハウス0円生活(坂口恭平著)
いわゆる「ホームレス」の家の話なのですが、惨めでも悲惨でもない希望にあふれるおはなし。そのまま実践するというのは難しいですが、家を借りるとかそういったことについて根本的に考えさせられます。楽しい本でもあるのでぜひどうぞ。
MOTTAINAIからはじめること
→ 納得するまで訊いてみる。
→ 新しい発想を学んでみる!
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