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失敗なんて最後に判断すればいい/文・野口健
山でぼーっと考えていると、自分の人生を映画に見立てることがある。ひとつの作品として人生を見るのだ。人生には成功や失敗がつきものだ。考えを巡らせていると、失敗したか成功したかなんてことは最後に判断すればいいじゃないかと思うようになる。
例えば、49パーセント失敗した。でも51パーセント成功だった。自分の中で過半数成功したらいいわけだ。トータルで見て成功のほうが多ければいい。
山にいると、考える時間が多いからいろんなことが浮かんでは消える。例えば、僕よりも下の世代の登山家たちのこと。僕の七大陸最高峰最年少登頂記録を塗りかえた若い登山家たちがいる。今の若い人たちはすごいと思った。
僕は回り道の連続で、3回目の挑戦でやっとエベレストの登頂に成功した。学生時代は落ちこぼれという場所からなかなか抜け出すことができず、素行も悪く何回も停学になった。
今振り返ると「落ちこぼれ」という失敗は、学生時代のマイナスの話が結果的にプラスになるストーリーにつながっている。野口健は落ちこぼれだったけれど、そこからはい上がって山の世界に入り、エベレストに登ったというストーリーが生まれたわけだ。
僕は停学になって落ちこぼれたおかげで今の仕事をさせていただいていると思っている。10年経ってみたら過去の失敗が笑い話となり、講演のネタにもなっていた。しかもその話を聞いて、頑張ろうという若者が大勢いる。
失敗するとやっぱりショックだし後悔もする。でも、失敗は仕方のないことだ。誰だって失敗するときはある。その経験から生まれた痛みをしっかり感じることが大事なのだ。すると10年後に失敗話を笑いながら次の世代に伝えることができると思う。その話を聞いた世代がさらに下の世代につなげてくれると、とてもうれしい。

27歳のときにアフリカ最高峰キリマンジャロの登頂に成功した
例えば、49パーセント失敗した。でも51パーセント成功だった。自分の中で過半数成功したらいいわけだ。トータルで見て成功のほうが多ければいい。
山にいると、考える時間が多いからいろんなことが浮かんでは消える。例えば、僕よりも下の世代の登山家たちのこと。僕の七大陸最高峰最年少登頂記録を塗りかえた若い登山家たちがいる。今の若い人たちはすごいと思った。
僕は回り道の連続で、3回目の挑戦でやっとエベレストの登頂に成功した。学生時代は落ちこぼれという場所からなかなか抜け出すことができず、素行も悪く何回も停学になった。
今振り返ると「落ちこぼれ」という失敗は、学生時代のマイナスの話が結果的にプラスになるストーリーにつながっている。野口健は落ちこぼれだったけれど、そこからはい上がって山の世界に入り、エベレストに登ったというストーリーが生まれたわけだ。
僕は停学になって落ちこぼれたおかげで今の仕事をさせていただいていると思っている。10年経ってみたら過去の失敗が笑い話となり、講演のネタにもなっていた。しかもその話を聞いて、頑張ろうという若者が大勢いる。
失敗するとやっぱりショックだし後悔もする。でも、失敗は仕方のないことだ。誰だって失敗するときはある。その経験から生まれた痛みをしっかり感じることが大事なのだ。すると10年後に失敗話を笑いながら次の世代に伝えることができると思う。その話を聞いた世代がさらに下の世代につなげてくれると、とてもうれしい。

27歳のときにアフリカ最高峰キリマンジャロの登頂に成功した
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by mottainai-lab
| 2010-05-13 14:38
| 野口健
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もったいないばあさん日記「ごめんなさい」/文・画:真珠まりこ

電車の中、「やめなさい」という声がして、見ると、
携帯電話で話をする若者に、年配のおじいさんが注意をしていた。
「車内で電話するな」「うるせーんだよ」と言いあっている。
「うるさいのはおまえだ」「おめーのせいで切れただろ」
「切るのがあたりまえだ。電話したかったらおりろ」
「おめーがおりろ」「おまえだ」……
数秒のにらみあいのあと、若者はぷいっと顔をそむけ、
おじいさんもそれ以上言わず、周りの人たちもほっとした。
どうなることかと思ったが、いまどきめずらしい、気骨のあるおじいさんじゃ。
今は、悪いことを目撃しても、注意すると逆ギレされて暴力をふるわれることもあるから、警察に連絡してくださいと言われる時代。
見て見ぬふりをする人も多い。
昔は、自分の子だろうがよそんちの子だろうが、おかしなことをしていたら、大人がしかるのはあたりまえだったけど、正面切って、「やめなさい」という人を見たのは久しぶりじゃよ。
最近の若い人たちには、親にしかられたり、目上の人から注意をうけたことがない人も多いらしいから、あの若者には、ショックだったかもしれないね。えらそうに言われたと思ったのかもしれない。
私の隣に座っていた人が、つぶやいた。
「すいませんって言えばいいのに。悪いことしてたんだからさ。なんであやまれないんだろうね」って。ほんとじゃね。
「ごめんなさい」が言える謙虚な心は、「もったいない」の心とつながっているよ。
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★もったいないばあさんのワールドレポート展 ー生きものがきえるー
恩賜上野動物園・2010国際生物多様性年イベント
◎開催日時:2010年5月22日(土)~6月30日(水)10時~15時
(※6月の月曜日は休園)
◎開催場所:東京都・上野動物園 西園ズーポケットにて
いま、生きものたちがすごいスピードで絶滅しています。
なぜこんなことが起きているのでしょう?このままではどうなってしまうのでしょうか?
生きものがきえる問題と私たちのくらしとのつながり、そして、生物多様性をテーマに
きえゆく生きものたちの話を、イラストともったいないばあさんのメッセージとともに、お伝えします。
今年は国際生物多様性年。そして、初日の5/22は生物多様性の日です。
◇主催:もったいないばあさんのワールドレポート展実行委員会
◇後援:WWFジャパン、国際自然保護連合(IUCN)日本委員会、(社)日本動物園水族館協会
◇協力:恩賜上野動物園、(株)講談社
◇問合せ先:恩賜上野動物園 教育普及係 TEL 03-3828-5171(代表)
◇詳細はもったいないばあさんのホームページにて
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by mottainai-lab
| 2010-05-10 12:34
| 真珠まりこ
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