毎年、雨期のちょっと前に保護区の一カ所を野焼きするマラトライアングル。
成長しすぎて固くなってしまったサバンナの草を焼き払い、新芽を求めてやってくる野生動物を呼び寄せる為の大切な行事。
この野焼きは、ネットでのアフリカ気候サイトで雲の動きを読んでから、雨が予想される時期に決められている。野焼きが終わった後にすぐ雨が降り、それによってものの1週間で真っ黒に焼かれたサバンナに緑の新芽が出始めるのでびっくりしてしまう。
雨が予想される何日か前の風が強い快晴の日、レンジャーたちがサバンナに日をつけます。
火をつける道具で一番大切なのは、古タイヤ。
まず枯れ草をタイヤの溝の中にいっぱい詰め込み、そこにガソリンがまいて点火させる。
そして、太いワイヤーで車につながれたタイヤは、サバンナの上を時速20キロのスピードで引っ張られる。

↑グレーダーのでっかい古タイヤにガソリンをかけ、点火っ!

↑レンジャーの車が通った後はサバンナ一体に火がつきます。
乾いた草は、燃えるタイヤが通っただけで小さな種火がつき、風によって大きな火となり、サバンナが燃え出して行く。風が強い日を選ぶのは、早く火が回るのと同時に出来るだけ火が一カ所にとどまって多くの植物を焼き払わないため。そして、野焼きは道で火を止めるために、保護区の道にそって行われている。
煙を放ち始めると、まずコウノトリが焼けた虫を食べる為に真っ黒になったサバンナに大量に舞い降りてきます。そして、野焼きの後にすぐ新芽が生えるのを知っている草食動物たちが、黒い大地に集まり始め、
雨が降った1週間後、深い緑の新芽のカーペットが生え出し、草食動物の天国となります。

↑ドゥドゥ・チョマ(虫焼き)をエンジョイするコウノトリの大群。

↑新芽を待ち、野焼きされたエリアに集まる草食動物たち。
これからサバンナは新芽のキレイな季節になります。