「世界にはたくさんの山があるのに」——と。
私が富士山にこだわり続けるのは、日本を象徴する場所だからです。
富士山は海外でも知名度が高い場所であり、日本を気軽にイメージしやすい。
だから、海外からもたくさんの人がやってくる。
ある意味、日本の迎賓館的な役割を果たしている。
日本を象徴する場所が汚れている。
これは日本の恥であり、とてももったいないことだと私は常々思ってきました。
そこで2000年から富士山の清掃活動を開始。
さまざまな人たちと協力し、コツコツと清掃活動を続けた結果、富士山の五合目から上はほとんどゴミが見当たらないレベルまできれいになった。
元の状態に戻ったと言ってもいいでしょう。
人はきれいな場所には気軽にゴミを捨てにくい。
だから、五合目以上はこれからも現状を保ち続けると思います。
日本の象徴である富士山が変われば、そのまま日本の環境問題が解決するきっかけになる。
実際、富士山の清掃活動の取り組みを、自分の町でも行いたいから教えてほしいとの依頼もたくさん寄せられている。
ちょっとずつ富士山から変わり始めた意識が全国に波及しようとしています。
しかし、私自身の力だけでは無理がある。
だから皆さんの協力も必要なのです。
皆さんで富士山を、そして日本の環境問題を少しずつ解決していきましょう。
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新書『富士山を汚すのは誰か―清掃登山と環境問題』(角川書店)