俺が音楽に夢中になったころっていうのは、
もちろんレコードが主流だったんだけど、
どんどんアナログからデジタルに移行して
このごろはCDも買わず、iTunesでデータで買うっていうのが
普通になっているんじゃないかな。
決して、デジタルになっていくのがよくないとは思わないんだけど、
少しだけ寂しいなぁと思うこともある。
紙の匂いとかインクの匂いとか、ジャケットのデザインとかね。
写真を撮る時も、昔は現像してプリントが当たり前で
自分でアルバムを作ったりしていたんだけど、
最近では、デジカメになってプリントもしなくなってる。
写真の手触り感は、もしかしたら過去のものなのかもしれない。
なんだか、その寂しさに似てるんだ。
音楽を作るという観点からみると、デジタルへの移行は
ものすごく大きな変化だったかもしれない。
今までは20帖くらいないと入らない高額な機材が必要だったのが、
今では、8帖のスタジオでも十分の手軽さ。すごく便利。
だから、このZICCAでアルバム制作ができるようになったんだ。
俺は、デジタルのプロと一緒に音楽制作をやっていくことで、
「アナログ」が薄れていく寂しさを超えて、
「デジタル」の良さや上手く共存していくことを知ったのかもしれない。
ここ数年で、デジタルの技術もどんどん発達していて、質も上がっている。
そこで思うのは、きっとデジタルはアナログになりたいんだってこと。
あの独特の音、あの手触り感、あの空気感は、アナログならでは。
やっぱり、人の心を打つのは、アナログなものなんだ。
そのアナログな良さを、デジタルでも残せるようになってきた。
すごい時代だ。
データでダウンロードすることが主流だからこそ、
ライブに足を運ぶ人も多くなっているのかもしれない。
不特定多数の人と同じ空気を共有するっていうのは、最高だろ?
今も昔も変わることなく、そういうことに人は感動するだよな。
いろいろなことが「アナログ」から「デジタル」になって
音楽業界の流行廃りのスピードとか、音楽の楽しみ方とか、
いろいろなものが変化してきた。
俺も、その変化に多かれ少なかれ、疑問を覚えたり
寂しさを感じていた一人なんだけど、
「TRADROCK」の制作をしていて、考え方が変わってきたんだ。
デジタルになってきている今は、「外よりも中を見つめていく時代」なんだって。
つくる側も聴く側も、本質と真っ向から勝負する時代。
だから、最終的には残るべき物が残っていくんだと、俺は思う。
TRADROCKの“Jimmy”では、息子のJesseとセッションしてるんだけど、
リアルタイムでJimmy Pageを知らない息子との共演は、
なかなかおもしろかったんだ。
どちらかというとデジタル世代の息子と、完全アナログ世代の俺の共演。
世代や通ってきたカルチャーが全く違う二人が、
一緒につくり出す音楽や空気感を、ぜひ感じて欲しい。
まー、アナログとかデジタルとか言ってても、
俺はオモチャとしてのギターがやめられないっていうところは、
昔からちっとも変わらないな。
親への反発も、音楽をすることへのエネルギーとなって
あっという間にこの歳まできてしまった。
これからも、変わらずにギターを弾き続けるんだろうけど。
さて、久々にアナログに針をおとしてみようか。























